MotoGP第4戦カタールGPが今週末、カタール、首都ドーハ近郊の砂漠に位置するルサイル・インターナショナル・サーキットで開催される。全長距離5.38km、最大ストレート1068m、右コーナー10、左コーナー6。2004年、約1000人にも及ぶ労働者が昼夜問わず献身的な建設作業を行ないわずか1年で完成させたサーキット。
MotoGPクラスは、前戦、兄のマルク・マルケス(ドゥカティ)を上回り、自身初のMotoGPクラス、ポイントリーダーとなったアレックス・マルケス(ドゥカティ)。兄マルケスがこのサーキットで優勝したのは2014年までさかのぼる。アメリカGP決勝で2025年の初勝利を挙げたフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)。今大会では、テストでのけがのため3戦欠場した前年度チャンピオンのホルヘ・マルティン(ドゥカティ)がついに、木曜日のメディカルチェックを通過したら、この3人のトップ争いに参入を果たすかもしれない。
現在55ポイント獲得し、ポイントランキング4番手のフランコ・モルビデリ(ドゥカティ)。11ポイント差で5番手のファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)は2023年このサーキットで優勝している。ルーキーながらポイントランキング現在6番手という快進撃を見せる小椋藍(アプリリア)にとっては、アジアタレントカップのころから経験を積んだサーキット。
前戦決勝では12位4ポイント獲得を果たした小椋のチームメイト、ラウル・フェルナンデス(アプリリア)も今大会ではトップ10入りを目指す。アメリカGPでは13番グリッドから決勝6位まで順位を上げたマルコ・ベゼッキ(アプリリア)。ポイントでは現在25点でベゼッキを1点上回り7番手のヨハン・ザルコ(ホンダ)は2017年、プレミアクラスデビュー戦、このサーキットで先頭を走った。前戦スプリント決勝、共に8位でホンダ勢トップの結果を残したルカ・マリーニ(ホンダ)。アメリカではスプリント決勝共に転倒に終わったジョアン・ミル(ホンダ)も速さは見られるようになっている。ルーキーのソムキャット・チャントラ(ホンダ)は引き続き経験を重ね、ホンダ勢の復興に期待したい。
混乱のアメリカGP決勝では、5位11ポイントを獲得したジャック・ミラー(ヤマハ)。チームメイトのミゲール・オリベイラ(ヤマハ)は今大会もケガのため欠場、アウグスト・フェルナンデス(ヤマハ)が代役出場する。前戦決勝トップ10入りを果たしたファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)、チームメイトのアレックス・リンス(ヤマハ)と共に、ヤマハ勢にも打倒ドゥカティ候補に名乗りを挙げてもらいたい。
前戦の決勝混乱で、タイヤアドバンテージを生かせなかったものの7位に入ったエネア・バスティアニーニ(KTM)は2022年ここで優勝している。チームメイトのマーベリック・ビニャーレス(KTM)は2017年のMotoGPデビューイヤーと2021年にヤマハで優勝したサーキット。ブラッド・ビンダー(KTM)はここルサイルで2度の2位表彰台を獲得している。ペドロ・アコスタ(KTM)は昨年、ルーキーにしてここルサイルで初のナイトレース決勝9位を獲得した。ルーキーのフェルミン・アルデゲール(ドゥカティ)は、前戦決勝では転倒直前までトップ争いに迫るタイムを記録していた。
Moto2クラスでは、アメリカGP完全勝利を挙げ、ポイントリーダーとなったジェイク・ディクソン(ボスコスクロ)。ディクソンと仲良しの佐々木歩夢(カレックス)、Moto2ルーキー國井勇輝(カレックス)にも期待したい。
Moto3クラスは前戦、不運に見舞われた山中琉聖(KTM)、アメリカGPは9位7ポイント獲得を果たした古里太陽(ホンダ)に注目したい。
MotoGP第4戦カタールGPは、今週末金曜日、日本時間午後8時(現地時間午後2時)にMoto3フリー走行1で走行が始まる。