全日本ロードレース選手権第2戦SUGOのST600決勝レース1は南本宗一郎(AKENO SPEED・YAMAHA)が優勝した。

曇天で低い気温、強い風の中でのレース1。ポールポジションから好スタートを切ってレースをリードしたのは南本。背後につけた伊達悠太(AKENO SPEED・MAVERICK)に2位争いを挑んだのは松岡玲(ITO RACING BORG CUSTOM)。南本は後方のバトルを尻目に逃げ切りを図ろうとする。それを見た伊達は松岡を封じ込めながら南本のテールにつく。松岡もあきらめずにくらいつく。ここにスタートで出遅れた長尾健吾(TEAMKENKEN YTch)が追い付いて、4台がトップ集団を形成。

6周目に長尾が松岡をオーバーテイク。

レース折り返し。南本はトップをキープしたまま周回を重ねる。伊達はしっかりと南本のテールについたまま。長尾、松岡は少し離され始める。

レース後半。順位を入れ替える南本と伊達。その間に長尾、松岡が追い付いて再び4台でのバトルに戻る。

16周目を終えてホームストレートに戻ってきた南本が足を出した。同時にレッドクロスの旗が出て降雨が知らされる。続いて赤旗が示された。

結果、15周終了時点の順位でレースが成立となり、南本の優勝で決着。伊達は悔しい2位、長尾は3位表彰台を得た。

ST600決勝レース1トップ3会見


●優勝/南本宗一郎(AKENO SPEED・YAMAHA)
「先頭でレースをコントロールするプランでした。レース中盤まではトップグループを4台に絞れてトップを走れました。レース後半で雨が降ることは雨雲レーダーで分かっていました。赤旗中断を見据えて常にトップでコントロールラインを通過することだけは決めていました。伊達選手が去年そういうレースで悔しい思いをしていたのを見ていたので、伊達選手も同じことを考えていることは分かっていました。僕のバイクは知っていたので、抜かれても抜き返して作戦どおりにトップで通過できていました。ペースも下げたり上げたりしてコントロールして、最後の3周に余力を残していました。赤旗で納得できない感じで終わってしまいましたが、優勝は優勝。3月にアジア選手権からの撤退が決まり、一時はトレーニングもせず引きこもっていました。初戦で優勝できてほっとしているし、辞めないでよかったと実感しています」


●2位/伊達悠太(AKENO SPEED・MAVERICK)
「レース序盤は南本選手のペースがよかったので、台数を絞ってもらおうと思って後ろについていました。去年の岡山で赤旗で負けていたから意識していました。残り8周、残り7周のタイミングでは前に行こうと思っていました。でも抜いても最後の登りで抜き返されてコントロールラインは取られてしまっていたので、厳しいなという感じでした。雨が降ってきたときに南本選手のペースが落ちたので前に出てスパートをかけようと思っているタイミングでの赤旗。スリッピーなコンディションは得意なので、そこからいこうと思っていたタイミングだから、ただただ悔しいです。明日は気持ちよく終えられるように頑張ります」


●3位/長尾健吾(TEAMKENKEN YTch)
「予選では単独で1分28秒を出せたので流れはよかったし、自信はありました。後ろから走っていてもペースをコントロールしているのが分かりました。レース序盤は6番手か7番手まで落ちたところから、焦らずに3、4番手までは苦労なくいけました。ここからレースだなっていうのが10周目を過ぎる辺りから。二人の走りを研究して、二人の争いが激しくなってきたから、しっかり組み立てて最後に前に出られるようにと思っていたところでの雨でした。出し切れたレースなら表彰台でもすっきり終われます。明日はポールポジションからのスタートだし、出し切って久しぶりに優勝できるように頑張ります」