全日本ロードレース第2戦SUGOのJ-GP3は若松怜(JAPAN POST docomo business TP)が優勝した。
決勝日も曇天。昨日、午後から天候が崩れ、夕方から本降りになった影響で路面はウエットコンディション。しかし乾いていく方向にあり、難しい判断に迫られる。
好スタートを切ってホールショットを奪ったのは尾野弘樹(P.MU 7C GALESPEED)。10番手グリッドからロケットスタートを決めた中谷健心(MotoUPRacing)が2番手につき、以下、武中駿(Team Plusone)、若松と続く。若松はあっという間に武中、中谷をとらえて尾野のテールにつく。尾野と若松は順位を入れ替える一騎打ちを開始。追い上げてこの2台を捕らえようとしていた高杉奈緒子(TEAM NAOKO KTM)が転倒。これで再び3番手のポジションを得た武中。大田隼人(MARUMAE DreamKitakyushu CPARIS)と共にトップ2台を追い始める。一方、中谷は周回ごとにポジションを落としていく。
5周目に若松が尾野を引き離してトップ独走態勢に持ち込もうと画策。一方の尾野は武中、大田の3位争いに飲まれる。大田は武中をかわし、さらには尾野をもかわして2番手浮上。大田は勢いづいて集団から抜け出し、単独2位走行を開始。
レース後半。若松は後続に7秒近いアドバンテージを築いた。大田も2秒半の差を持って単独で周回を重ねる。武中と尾野の3位争いは接近戦が続く。
レース終盤。武中と尾野が激戦を展開しながら大田との差を詰める。再び3台での2位争いに。
残り3周。武中がまさかの転倒。
残り1周。尾野が大田をとらえて2番手浮上。
若松は後方の激戦を尻目に最後まで快走。今シーズン初戦を優勝で飾った。2位争いは尾野に軍配。大田は全日本初表彰台を得た。
J-GP3決勝トップ3会見
●優勝/若松怜(JAPAN POST docomo business TP)
「雨はあまり得意ではないし、好きでもないので、朝起きてげんなりしました。乾いてくればチャンスがあると思って、天気予報とにらめっこしていました。少しずつ乾いてきて(ウオームアップを終えた)チームメイトの小山選手、西村選手たちにコンディションの変化を聞いていました。みんなが言うように最後は乾きました。最後はタイヤがきつかったけれど、レース序盤の貯金を生かして開幕戦で勝ててうれしいです」
●2位/尾野弘樹(P.MU 7C GALESPEED)
「昨日までドライコンディションで調子がよかっただけに、朝起きたらウエットコンディションだったので、昨日までとは違う展開になるだろうと思っていました。朝のウオームアップでの雨の感触は悪くなかったのですが、決勝は水量が少なくなってきました。その状況の中で自分の思ったフィーリングにならず、厳しいレースになりました。若松選手に抜かれてからも追走しようと思ったのですが、ペースが速くて無理でした。その後4位くらいまで落ちてしまい、何もできずに我慢のレースでした。その中でも最後に最低限の2位になれました。チャンピオンシップを考えると厳しい中で最大限の仕事はできたかなと思います」
●3位/大田隼人(MARUMAE DreamKitakyushu CPARIS)
「スタートがうまく決まって2番手くらいまで上がれたけれど、2コーナーでペースを落としすぎて抜かれてしまいました。前の集団が離れていくのが見えたので、コーナーの進入だけでも頑張ろうと思いました。レース後半のことを考えずに頑張りすぎて、最後にペースを上げられず、離れていた尾野選手にも抜かれてしまいました。でも初めてトップ集団で混戦できたことは、今後に生かせます。次戦の筑波は得意な方だから、もう一度トップ集団に追い付いて今回よりも一個でも順位を上げたいです」