全日本ロードレース選手権第2戦SUGOのJSB1000クラス決勝レース2は中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が優勝した。

日曜日の午前中は、昨夜から朝まで降り続いていた雨の影響でウエットコンディションだった。午後一番にスケジュールされたJSB1000クラス決勝レース2はウエット宣言が出されたものの、全車スリックタイヤを選択。路面はほぼ乾いている。

昨日のレース1で3位を得た日浦大治朗(Honda Dream RT SAKURAI HONDA)は朝のウオームアップ走行で転倒、レース2のグリッドには並べなかった。また昨日のレース1で転倒の名越哲平(SDG Team HARC-PRO.Honda)もキャンセルした。

好スタートを切ってホールショットを奪ったのは野左根航汰(Astemo Pro Honda SI Racing)。しかしその直後に転倒。替わってするするとトップに立ったのは長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)。2番手に上がったのが浦本修充(AutoRace Ube Racing Team)。3番手に中須賀がつける。

長島と浦本のトップ争いが開始。中須賀は岩田悟(Team ATJ)、伊藤和輝(Honda Dream RT SAKURAI HONDA)と3台での3位争いを開始。

5周目突入した途端に浦本と長島が順位を入れ替えるバトルを展開。その間に3台の3位争いが追い付いて5台のトップ争いに移行。すぐに中須賀が2番手奪取。しかし長島の前に出ようとしない。その間に6位争いの3台も差を詰める。

10周目。浦本が中須賀をパス。さらに長島に襲いかかってトップ浮上。一気にペースアップ。それを見た中須賀は長島をかわすと浦本のテールにつける。あっという間に浦本vs中須賀の一騎打ちに。長島は伊藤、岩田、鈴木光来(TeamATJ)、津田拓也(Team SUZUKI CN CHALLENGE)の5台での3位争いに移る。

レース後半。逃げる浦本。じっと2番手のまま周回する中須賀。一方、3位争いの5台が順位を入れ替え始める。15周目に伊藤が集団トップに浮上。その背後につけるのは津田。

3位争いは集団がばらけ、表彰台争いは伊藤と津田が一騎打ちに。

残り5周。中須賀が浦本を捕らえて首位浮上。一気にスパートをかける。そして中須賀は悠々とトップでチェッカー。ダブルウインを飾った。浦本は2位表彰台。表彰台争いは津田に軍配が挙がった。

JSB1000決勝レース2トップ3会見


●優勝/中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)
「今日はとても難しいコンディションでした。それでもドライコンディションで走れてよかったです。非常にスリッピーだったし、タイヤを暖めるのも難しかったです。レース1の結果を踏まえて、タイヤマネージメントをしました。最後までうまくいき、自分なりのレース展開に持ち込めました。しっかり冷静さを保ったのが勝因かなと思います。コース上に雨が残っているところもあって、パッシングポイントが少なかったです。浦本選手のミスをきっかけにして、そこからはタイヤを使い切るつもりでプッシュしました」


●2位/浦本修充(AutoRace Ube Racing Team)
「かなり難しいコンディションでした。ST1000のレースを見ていて、スリックタイヤなのか、レインタイヤなのかも怪しいと思いました。とりあえずスリックタイヤで出て、これならいけるかと思って昨日と同じタイヤ選択にしました。予想どおり長島哲太選手が前に出てペースメーカーになってくれました。後ろが集団になりかけていたので、長島選手を抜いて前に出て、ペースを上げました。中須賀選手が後ろにいるのは分かっていたのですが、最後にミスしてからは厳しい状況でした。ラスト2周はコース上にとどまるのもきつい感じでした。完敗です」


●3位/津田拓也(Team SUZUKI CN CHALLENGE)
「集団の中にはいたのですが、コーナリングスピードが上げられないコンディションでした。他メーカーに比べてストレートスピードが厳しく、抜かれていくだけのレース展開でした。残り10周くらいでコンディションが回復してからは、ブレーキングで並べるようになりました。そこから1台ずつ抜いていきました。3番手に上がってからはスパートもかけられました。トップ2台には置いて行かれてしまいましたが、その中でも3位表彰台が取れてよかったです」