SBK(スーパーバイク世界選手権)第7戦イギリスラウンドは、イギリスのドニントンパークサーキットでスーパーポールレース、レース2が開催された。
SBKスーパーポールレース
SBKのスーパーポールレースは気温21度、路面温度30度のドライコンディションの下、10周で争われた。
ポールポジションからスタートしたトプラク・ラズガットリオグル(BMW)が好スタートでリード。2番手にジョナサン・レイ(ヤマハ)が続き、ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)はややスタートで出遅れる。
ラズガットリオグルは1周目に0秒559、2周目に1秒020と2番手のレイとのリードを広げていく。3周目にブレガがレイをパスして2番手に浮上、ラズガットリオグルを追うが、その差は周回ごとに広がり、ラズガットリオグルがそのままトップを独走し優勝。BMWにとってSBK通算100回目となる表彰台に立った。ラズガットリオグルはこの勝利でランキングトップのブレガに1ポイント差まで迫った。
ブレガは2秒804差の2位に入賞。4周目にレイを交わして3番手に浮上したサム・ロウズ(ドゥカティ)がホームレースで3位に入賞した。
レイはその後、アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)、アンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)、に交わされ、バウティスタが4位に入賞、ロカテッリが5位に続き、レイは6位入賞となった。
ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)、ライアン・ビッカーズ(ドゥカティ)、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)、ギャレット・ガーロフ(カワサキ)の4人のライダーによる接戦となった7番手争いは、中盤までビッカーズが先行したが、6周目にペトルッチが交わして7番手浮上。ビッカーズは8周目の最終コーナーでオーバーランを喫して後退。ガーロフが終盤にイアンノーネを交わして8位入賞、9位にイアンノーネが続き、10位にドミニク・エガター(ヤマハ)が続いた。
ビッカーズは11位でゴール。レミー・ガードナー(ヤマハ)が12位、チャビ・ビエルへ(ホンダ)が13位、アクセル・バッサーニ(ビモータ・カワサキ)は14位に続いた。レース1のスタート直後の多重クラッシュの原因となったことでヤリ・モンテッラ(ドゥカティ)はロングラップペナルティを受け15位でゴール。
バハティン・ソフォグル(ヤマハ)は16位、ミシェル・ルーベン・リナルディ(ヤマハ)は17位、トーマス・ブライドウェル(ホンダ)は18位、ティト・ラバット(ホンダ)は19位、イボ・ロペス(ホンダ)は20位でチェッカーを受けた。
スコット・レディング(ドゥカティ)とイケル・レクオナ(ホンダ)はマシントラブルでリタイア。マイケル・ファン・デル・マーク(BMW)はサイティングラップでマシントラブルでストップしたため、最後尾グリッドからのスタートとなったが、1周目の11コーナーで転倒。再スタートしたもののピットに戻ってリタイアとなった。レース1で転倒負傷したアレックス・ロウズ(ビモータ・カワサキ)は朝のウォームアップを走ってから欠場を決断した。
SBKレース2
SBKのレース2は、気温24度、路面温度38度のドライコンディションの下、23周で争われた。
ポールポジションからスタートしたトプラク・ラズガットリオグル(BMW)が好スタートでレースをリード。2番手にサム・ロウズ(ドゥカティ)が続く。ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)はスタートで遅れ、1周目のコントロールラインを5番手で通過。3周目の1コーナーで4番手、ヘアピンで3番手となる。
ラズガットリオグルは2周目には2番手のサム・ロウズに約5秒のリードを取る。しかし、4周目の1コーナーでサム・ロウズが転倒。これでブレガが2番手に浮上する。この時点でトップのラズガットリオグルと2番手のブレガの間には約1秒半の差があり、ブレガはラズガットリオグルを追ったものの、その差は縮まらず、レース中盤の10周目には約2秒に広がっていた。
ラズガットリオグルはその後も単独トップで周回を重ね、終盤に10コーナーでのトラックリミットオーバーの警告を受けたが、以後、トラックリミットを越えることなく周回を重ね、ポールtoトリプルウイン(ハットトリック)を達成し、イギリスラウンドを完全制覇。今シーズン3回目となるハットトリックを達成。ランキングトップに浮上し、ランキング2位に後退したブレガに4ポイント差をつけた。
ブレガは終盤、追い上げて来たアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)に接近されたものの、0秒189差で逃げ切って2位に入賞。バウティスタは1周目から3番手をキープ。序盤にブレガに交わされ4番手に後退したものの、サム・ロウズの離脱で3番手に上り、4周目以降そのポジションをキープ。中盤にブレガに離されたものの、終盤にその差を縮め、チェッカー直前には背後まで迫ったが、勝負をしかけることはできなかった。
4位にアンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)が入賞。4人のライダーによる5番手争いの接戦を抜け出したダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)が5位に入賞。ギャレット・ガーロフ(カワサキ)が6位、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)が7位、ドミニク・エガター(ヤマハ)が8位に入賞した。
レミー・ガードナー(ヤマハ)は中盤すぎからライアン・ビッカーズ(ドゥカティ)との間で続いた9番手争いを制し、終盤に迫って来たイケル・レクオナ(ホンダ)を僅差で抑えて9位入賞。0秒214差の10位にレクオナが入賞した。
ビッカーズが11位、スコット・レディング(ドゥカティ)が12位、ヤリ・モンテッラ(ドゥカティ)が13位、チャビ・ビエルへ(ホンダ)は13位でチェッカーを受けたが、最終ラップに10コーナーでトラックリミットをオーバーしたため1ポジション降格の14位入賞。ジョナサン・レイ(ヤマハ)は1周目を8番手で終えたが、2周目に13番手に後退。その後も後続に交わされ、15位入賞となった。
以下、アクセル・バッサーニ(ビモータ・カワサキ)が16位、バハティン・ソフォグル(ヤマハ)が17位、ミシェル・ルーベン・リナルディ(ヤマハ)が18位、ティト・ラバット(ホンダ)が119位、イボ・ロペス(ホンダ)が120位でチェッカーを受けた。
マイケル・ファン・デル・マーク(BMW)はマシントラブルで17周を終えてピットに戻りリタイア。ワイルドカードのトーマス・ブライドウェル(ホンダ)は9周目の9コーナーで転倒リタイアとなった。
SSP
SSP(スーパースポーツ世界選手権)のレース2は気温25度、路面温度36度のドライコンディションの下、19周で争われた。
2番グリッドからスタートしたトム・ブース-アモス(トライアンフ)がトップに立ちレースをリード。1周目のメルボルンヘアピンでポールスタートのステファノ・マンジ(ヤマハ)が大きく振られ、転倒は免れたものの、16番手まで後退し、トップ争いから大きく遅れてしまう。
トップ争いはブース-アモス、ジャン・オンジュ(ヤマハ)、ルーカス・マヒアス(ヤマハ)の3人による接戦が続き、中盤の段階でブース-アモスがリードを広げていたが、終盤に2番手のオンジュが差を縮め、16周目にオンジュがトップに浮上。そこからブース-アモスとのリードを広げ、今シーズン5勝目を記録した。
0秒816差の2位にブース-アモス、3位にマヒアスが入賞した。マンジは追い上げて、残り2周で7位まで挽回してチェッカーを受けた。鳥羽海渡(ホンダ)はレース2は本来のグリッドからスタートし、20位でチェッカーを受けた。岡本裕生(ヤマハ)はスーパーポールの転倒負傷のため、レース1に続いてレース2も欠場した。
ヤマハR3
ヤマハR3 bLU cRUワールドカップのレース2は気温25度、路面温度34度のドライコンディションの下、10周で争われた。
スタートから大きな集団での接戦のトップ争いが展開。最終ラップにトップ争いから抜け出したアレッサンドロ・ディ・ペルシオが2位に2秒384差をつけて優勝、今シーズン3勝目を記録した。
2位でエマヌエル・パストーレがチェッカーを受けたが、最終ラップの10コーナーでのトラックリミットオーバーにより、1ポジション降格となり、3位でチェッカーを受けたマリオ・サリスが2位入賞。パストーレは3位となった。
ジーン・健人・ターナーはレース1での危険ライディングでレース2ではダブルロングペナルティを受けてトップ争いに加わることができず、13位に入賞。
レース1で優勝した久川鉄平はスタートから常にトップを争っていたが、最終ラップの11コーナー(メルボルンヘアピン)立ち上がりで、奥貫 翔と共に多重クラッシュに巻き込まれ、再スタートして15位入賞。奥貫は再スタートできず、リタイアとなった。
FIM WCR
FIM WCR(ウーマンズ・レーシング世界選手権)のレース2は気温21度、路面温度31度のドライコンディションの下、12周で争われ、 ビアトリス・ネイラ(ヤマハ) が 優勝した。
マリア・エレーラ(ヤマハ)がレースをリード。6周目にサラ・サンチェス(ヤマハ) がトップに立ち、7周目にエレーラがトップを奪い返すが、8周目に後退。サンチェスが再びトップに立つが、2番手で続いたネイラが11周目にトップを奪い、そのままシーズン2勝目を記録。0秒304差の2位にサンチェスが入賞。エレーラは2位から0秒702差の3位となった。
SBK第7戦イギリス SBK決勝スーパーポールレース リザルト(10周)
1 | トプラク・ラズガットリオグル(BMW) | 14分23秒520 |
2 | ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ) | 2秒804 |
3 | サム・ロウズ(ドゥカティ) | 3秒874 |
4 | アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ) | 4秒420 |
5 | アンドレア・ロカテッリ(ヤマハ) | 6秒943 |
6 | ジョナサン・レイ(ヤマハ) | 7秒387 |
7 | ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ) | 8秒699 |
8 | ギャレット・ガーロフ(カワサキ) | 9秒141 |
9 | アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ) | 9秒546 |
10 | ドミニク・エガター(ヤマハ) | 10秒041 |
11 | ライアン・ビッカーズ(ドゥカティ) | 12秒656 |
12 | レミー・ガードナー(ヤマハ) | 13秒375 |
13 | チャビ・ビエルへ(ホンダ) | 13秒990 |
14 | アクセル・バッサーニ(ビモータ・カワサキ) | 15秒038 |
15 | ヤリ・モンテッラ(ドゥカティ) | 17秒029 |
16 | バハティン・ソフォグル(ヤマハ) | 18秒348 |
17P | ミシェル・ルーベン・リナルディ(ヤマハ) | 22秒148 |
18 | トーマス・ブライドウェル(ホンダ) | 22秒487 |
19 | ティト・ラバット(ホンダ) | 26秒167 |
20 | イボ・ロペス(ホンダ) | 30秒614 |
R | スコット・レディング(ドゥカティ) | 8周 |
R | イケル・レクオナ(ホンダ) | 7周 |
R | マイケル・ファン・デル・マーク(BMW) | 1周 |
SBK第7戦イギリス SBK決勝レース2 リザルト(23周)
1 | トプラク・ラズガットリオグル(BMW) | 33分20秒407 |
2 | ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ) | 2秒946 |
3 | アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ) | 3秒135 |
4 | アンドレア・ロカテッリ(ヤマハ) | 10秒724 |
5 | ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ) | 12秒401 |
6 | ギャレット・ガーロフ(カワサキ) | 13秒419 |
7 | アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ) | 14秒422 |
8 | ドミニク・エガター(ヤマハ) | 18秒791 |
9 | レミー・ガードナー(ヤマハ) | 20秒993 |
10 | イケル・レクオナ(ホンダ) | 21秒207 |
11 | ライアン・ビッカーズ(ドゥカティ) | 23秒762 |
12 | スコット・レディング(ドゥカティ) | 23秒789 |
13 | ヤリ・モンテッラ(ドゥカティ) | 26秒033 |
14 | チャビ・ビエルへ(ホンダ) | 26秒200 |
15 | ジョナサン・レイ(ヤマハ) | 27秒938 |
16 | アクセル・バッサーニ(ビモータ・カワサキ) | 28秒437 |
17 | バハティン・ソフォグル(ヤマハ) | 36秒495 |
18 | ミシェル・ルーベン・リナルディ(ヤマハ) | 39秒498 |
19 | ティト・ラバット(ホンダ) | 50秒623 |
20 | イボ・ロペス(ホンダ) | 1分07秒008 |
R | マイケル・ファン・デル・マーク(BMW) | 17周 |
R | トーマス・ブライドウェル(ホンダ) | 8周 |
R | サム・ロウズ(ドゥカティ) | 3周 |