MotoGP第13戦オーストリアMoto3クラス3日目、決勝が日曜日、オーストリアの中北部にあるレッドブルリンクで開催された。日本時間午後6時(現地時間午前11時)から20周で開催された決勝は気温22度、路面温度31度、湿度65%、曇ったドライコンディション。シュペールベルクの深く濃い山の緑の中にあるレッドブルリンクには大勢の観客が訪れていた。

スタートはポールポジションのバレンティン・ペローネ(KTM)と2番グリッドのアンヘル・ピケラス(KTM)によるサイドbyサイドの激しい戦いで始まった。山中琉聖(KTM)、マキシモ・キレス(KTM)も続き、順位を入れ替える激しいトップ争いでキレスがトップになり2周目を迎えた。後方では、コーマック・ブキャナン(KTM)が1周目に転倒、リタイア。

トップ4と5番手以降のデニス・フォッジャ(KTM)、ダビド・アルマンサ(ホンダ)、アルバロ・カルペ(KTM)、グイド・ピニ(KTM)、アドリアン・フェルナンデス(ホンダ)、ダビド・ムニョス(KTM)、ホセ・アントニオ・ルエダ(KTM)らの集団は少しずつ差が開き出す。3周目、ヴィセンテ・ペレス(ホンダ)はマシントラブルでピットイン、再スタートするが4周でリタイア。

キレス、山中、ピケラス、ペローネがトップ争いを続ける中、5周目には15番グリッドスタートの古里太陽(ホンダ)が11番手まで順位を上げて、5番手以降の集団に入り徐々に順位を上げた。8周目には、山中が先頭を行くキレスを捉えトップに立つ。10周目1コーナーでは再びキレスが山中の前へ、ピケラスも続き、キレス、ピケラス、山中、ペローネのトップ4になった。折り返しを迎える11周目に入っても、トップ4はテイルtoノウズで続き、5番手以降とは約1.5秒差があった。

後半に入ると、5番手争いの集団に居た古里が13周目1分40秒048のレース最速ラップを記録し、フェルナンデス、ルエダ、ムニョスらとバトルを続け、徐々にトップ集団へ迫った。古里のレース最速ラップは昨年、鈴木竜生が記録した1分40秒092を更新した。

17周目、キレスの隙をついてペローネが先頭に立つ、その頃、4番手ピケラスと5番手古里の差は0.3秒程に縮まっていた。残り3周、キレスが再びトップを奪うが、残り2周となる1コーナーでワイドになり、ペローネ、ピケラスに先を許す。トップ集団に追い付いたムニョス、古里が果敢にインを突く中、ペローネとキレスが接触、順位を落とす。ピケラス、ムニョス、古里、山中で迎えた最終ラップ、古里がムニョスの前へ出て2番手へ上がり、ムニョスが再び古里とサイドbyサイドとなった瞬間、接触、古里とムニョスが空ける形となったラインに入り山中が前へ出て2番手へ上がった。先頭はピケラス、山中、ムニョスの順となり、そのままチェッカー。フリンサ・MTヘルメット・MSIがワンツーフィニッシュとなった。山中はカタール以来、今年2度目の表彰台。

トップのピケラスと2位の山中の差は0.096秒だった。山中とムニョスの差は0.075秒。4位キレス、5位ルエダ、古里は6位でチェッカー。トップから古里までの差は僅か0.652だった。7位でチェッカーを受けたフォッジャはトラックリミットで出されたロングラップを消化できず3秒加算、13位。7位ペローネ、8位フェルナンデス、9位ピニ、10位カルペ。

年間ポイントランクは、今日の優勝で25ポイント獲得のピケラスが、ポイントリーダーで239ポイントとなったルエダとの差を71に縮めて2番手。2位の山中は20ポイントを獲得し、現在88ポイントで7番手。6位の古里は10ポイント獲得、87ポイントで8番手に着けている。次週は第14戦ハンガリーGPが金曜日から始まる。

スペイン人ライダーのピケラス、ムニョスは7月にレース走行中の事故で逝去したボルハ・ゴメスを追悼し、シャンパンファイトを行なわなかった
MotoGP第13戦オーストリアMoto3決勝
順位 ライダー 車両 トップ差
1 アンヘル・ピケラス KTM
2 山中琉聖 KTM 0秒096
3 ダビド・ムニョス KTM 0秒171
4 マキシモ・キレス KTM 0秒250
5 ホセ・アントニオ・ルエダ KTM 0秒541
6 古里太陽 ホンダ 0秒625
7 バレンティン・ペローネ KTM 1秒851
8 アドリアン・フェルナンデス ホンダ 2秒141
9 グイド・ピニ KTM 2秒194
10 アルバロ・カルペ KTM 4秒181