MotoGP第14戦ハンガリーMotoGPクラス2日目、スプリントが土曜日、ハンガリーのバラトン・パーク・サーキットで開催された。ハンガリーでは初となるスプリント、スタンドによっては満席状態で観客が見守った。日本時間午後10時(現地時間午後3時)から13周で始まったスプリントは気温23度、路面温度36度、湿度36%、青空も見えるドライコンディション。全員タイヤは前ミディアム後ソフトだった。風速10km/h以上の風が吹くときもあった。

スタートは、P.P.のマルク・マルケス(ドゥカティ)が好スタートでホールショットを獲得する後ろで、6番グリッドだったファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が行き場を失いインから強引なラインで進もうとし、エネア・バスティアニーニ(KTM)を巻き込み1コーナーで転倒。バスティアニーニは順位を落とし走行したが、今度はヨハン・ザルコ(ホンダ)の転倒に巻き込まれクラッシュ。バスティアニーニとザルコはリタイア。この事故にはアレックス・リンス(ヤマハ)も巻き込まれたが、リンスは再スタート。

トップはマルク・マルケス、続いてファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)、フランコ・モルビデリ(ドゥカティ)、ルカ・マリーニ(ホンダ)、ジョアン・ミル(ホンダ)、フェルミン・アルデゲール(ドゥカティ)、ポル・エスパロガロ(KTM)、マルコ・ベゼッキ(アプリリア)、アレックス・マルケス(ドゥカティ)、ジャック・ミラー(ヤマハ)のトップ10で2周目を迎えた。

4周目に入り、後方では序盤に接触のあったブラッド・ビンダー(KTM)がピットイン、フロントパーツを交換して再スタート。5番手争いでは、アルデゲールがミルを抜いて5番手に上がった。トップのマルク・マルケス(ドゥカティ)は6周目1分37秒315のレース最速ラップを記録し、独走態勢に入る。2番手ジャンアントニオと3番手モルビデリの差も徐々に開き、中盤はモルビデリ、マリーニ、アルデゲールによる3番手争いとなった。同じく6周目、ホルヘ・マルティン(アプリリア)と10番手を争っていたペドロ・アコスタ(KTM)が11コーナーで転倒、再スタートしたものの大きく順位を落とした。

終盤に入り、3番手モルビデリと4番手マリーニの差も徐々に開き、マリーニとアルデゲールの4番手争い、ミルとベゼッキの6番手争いとなった。先頭を走るマルク・マルケスは安定感のある走りのまま13周を走り切りトップでチェッカー。今シーズン13勝目のスプリント勝利を挙げ、自身の1シーズンスプリント勝利記録を伸ばすと共に、マルティンの持つスプリント最多16勝の記録にあと2勝と迫った。2位はジャンアントニオ、3位モルビデリ。共に2025年2度目のスプリント表彰台。

4位マリーニ、ホンダ移籍後スプリント最上位。5位アルデゲール、6位ミル。ホンダにとって、トップ6に2台はスプリント初記録。7位ベゼッキ、8位アレックス・マルケス、9位マルティン。以上はポイントを獲得。10位は代役参戦のポル・エスパロガロ(KTM)。11位ラウル・フェルナンデス(アプリリア)、12位ジャック・ミラー(ヤマハ)、13位フランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)、14位ミゲール・オリベイラ(ヤマハ)。15位はオリベイラと0.125差で小椋藍(アプリリア)。チャンピオンシップポイントは、1番手マルク・マルケス430、2番手アレックス・マルケス278、3番手フランチェスコ・バニャーヤ221となり、トップ3の差が広がった。

明日は日本時間午後4時30分(現地時間午前9時40分)から10分間のウオームアップ走行後、トークショーなどが行なわれ、日本時間午後9時(現地時間午後2時)から26周で決勝が開催される。

この後、波乱の1コーナーとなった
ホンダ移籍後スプリント最上位4位のルカ・マリーニ(ホンダ)
MotoGP第14戦ハンガリーMotoGPスプリント
順位 ライダー 車両 トップ差
1 マルク・マルケス ドゥカティ
2 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ ドゥカティ 2秒095
3 フランコ・モルビデリ ドゥカティ 3秒595
4 ルカ・マリーニ ホンダ 4秒890
5 フェルミン・アルデゲール ドゥカティ 5秒692
6 ジョアン・ミル ホンダ 6秒147
7 マルコ・ベゼッキ アプリリア 6秒266
8 アレックス・マルケス ドゥカティ 7秒332
9 ホルヘ・マルティン アプリリア 10秒779
10 ポル・エスパロガロ KTM 12秒905
11 ラウル・フェルナンデス アプリリア 13秒148
12 ジャック・ミラー ヤマハ 14秒097
13 フランチェスコ・バニャーヤ ドゥカティ 14秒891
14 ミゲール・オリベイラ ヤマハ 15秒342
15 小椋藍 アプリリア 15秒467
16 アレックス・リンス ヤマハ 21秒007
17 ペドロ・アコスタ KTM 22秒245
18 ブラッド・ビンダ― KTM 1lap
RT ヨハン・ザルコ ホンダ
RT エネア・バスティアニーニ KTM
RT ファビオ・クアルタラロ ヤマハ