MotoGP第17戦日本MotoGPクラス3日目、ウオームアップ走行と決勝が日曜日、栃木県、モビリティー・リゾート・もてぎで開催された。午前9時40分から10分間で行なわれたウオームアップ走行は、マルク・マルケス(ドゥカティ)がトップ、2番手フェルミン・アルデゲール(ドゥカティ)、3番手マルコ・ベゼッキ(アプリリア)。

中上貴晶(ホンダ)は5周目1分44秒820を記録、14番手。4周目に1分45秒169を記録した小椋藍(アプリリア)は21番手。この後のパレードに小椋の姿はなく、メディカルチェックの結果、ミサノGPで痛めていた右手の状態が悪化した様子で、決勝は苦渋の決断の末、欠場することになった。

午後2時から24周で開催された決勝は、気温28度、路面温度41度、湿度53%、曇は多いものの、晴れ間も見えるドライコンディション。全員、タイヤは前後ミディアム。ソプラノ歌手の西口彰子による国歌斉唱後、延べ90096人の観客に見守られて始まった。

スタートはP.P.スタートのフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)がホールショットを獲得。ペドロ・アコスタ(KTM)、マルク・マルケス(ドゥカティ)、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)、ジョアン・ミル(ホンダ)、フランコ・モルビデリ(ドゥカティ)、アレックス・マルケス(ドゥカティ)、ベゼッキ、ルカ・マリーニ(ホンダ)、ラウル・フェルナンデス(アプリリア)のトップ10で続いた。

2周目1分44秒412のレース最速ラップをマークしたバニャーヤは、3周目に入るときには2番手アコスタを1秒以上離していた。2番手アコスタ、3番手マルク・マルケス。ミル、モルビデリ、ベゼッキ、アレックス・マルケス、フェルナンデス、クアルタラロに順位が変わった。10番手を走行していたマリーニは3周目マシントラブルでリタイア。

後半に差し掛かる11周目には、マルク・マルケスがアコスタを捉え2番手浮上。14周目7コーナーではミルもアコスタをかわし3番手に上がった。19周目、15番手を走行していた中上が転倒、リタイア。この頃、トップを独走していたバニャーヤのエグゾーストから断続的に白煙が出始めた。22周目にはジャック・ミラー(ヤマハ)がマシントラブルでピットイン、リタイア。

白煙が出ても、ラップタイムが著しく落ちることはなく、バニャーヤはトップを一度も譲ることなくポールtoウィン。2位にマルク・マルケスが入った。これにより、マルク・マルケスの6年ぶり、7度目のMotoGPクラスチャンピオンが確定した。5年以上かけて、MotoGPクラスチャンピオンに帰り咲いたライダーは史上初めて。マルクは叫び声をあげ、涙を流しながら、チャンピオン獲得セレモニーを行った。

3位は2021年アルガルベGP以来の表彰台を獲得したミル。ホンダでは自身初の表彰台獲得となった。ホンダファクトリーの表彰台は2023年のマルク・マルケス3位以来。パルクフェルメでは、マルク・マルケスがかつて所属したホンダチームスタッフもマルクを祝福する姿が見られ、感動的な光景が広がった。

4位ベゼッキ、5位モルビデリ、6位はレース後、兄であり今年最大のライバルだったマルクと硬い握手で讃えあったアレックス・マルケス。7位フェルナンデス、8位クアルタラロ、9位ヨハン・ザルコ(ホンダ)、10位アルデゲール。11位エネア・バスティアニーニ(KTM)、12位ブラッド・ビンダー(KTM)、この二人は最後まで接戦だった。13位ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)、14位ミゲール・オリベイラ(ヤマハ)、15位は今シーズン2度目のポイント獲得ソムキャット・チャントラ(ホンダ)。

次戦は第18戦インドネシアGPが10月3日に始まる。

MotoGPクラス通算7度目のタイトル、73勝、72最速ラップ、126表彰台、76ポールポジションのマルク・マルケス(ドゥカティ)
延べ90096人の観客が訪れたモビリティー・リゾート・もてぎ、昨年の自身のレーストータルタイムを0.478縮めてもてぎ2連勝のフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)

 

MotoGP第17戦日本MotoGP決勝
順位 ライダー 車両 トップ差
1 フランチェスコ・バニャーヤ ドゥカティ
2 マルク・マルケス ドゥカティ 4秒196
3 ジョアン・ミル ホンダ 6秒858
4 マルコ・ベゼッキ アプリリア 10秒128
5 フランコ・モルビデリ ドゥカティ 10秒421
6 アレックス・マルケス ドゥカティ 14秒544
7 ラウル・フェルナンデス アプリリア 17秒588
8 ファビオ・クアルタラロ ヤマハ 21秒160
9 ヨハン・ザルコ ホンダ 21秒733
10 フェルミン・アルデゲール ドゥカティ 23秒107
11 エネア・バスティアニーニ KTM 23秒616
12 ブラッド・ビンダー KTM 23秒882
13 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ ドゥカティ 29秒359
14 ミゲール・オリベイラ ヤマハ 30秒788
15 ソムキャット・チャントラ ホンダ 30秒990
16 マーベリック・ビニャーレス KTM 31秒712
17 ペドロ・アコスタ KTM 34秒157
18 アレックス・リンス ヤマハ 34秒792
RT ジャック・ミラー ヤマハ
RT 中上貴晶 ホンダ
RT ルカ・マリーニ ホンダ