全日本ロードレース第6戦岡山のJSB1000クラスは中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が制し、タイトルを獲得した。

救急搬送用のヘリコプターの発着の都合でスケジュールが1時間あまり遅れてスタート。ホールショットを奪ったのは水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)。長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)、中須賀と続く。オープニングラップで長島がトップ浮上。背後につけた中須賀は2周目に首位奪取。トップ独走体制に移行。長島は水野、野左根航汰(Astemo Pro Honda SI Racing)との争いに。

レース後半。徐々に水野が遅れ出し、2位争いは長島と野左根の一騎打ちに移行。

一方の中須賀はハイペースで一人旅を続ける。

最終ラップ。転倒車の影響で赤旗が提示される。中須賀はチェッカーこそ受けられなかったものの、最終戦を残して圧勝でタイトルを獲得。

2位争いは22周目にしっかりと前に出た野左根に軍配。長島は3位に甘んじたものの、ダンロップタイヤに表彰台をプレゼントした。

優勝してチャンピオンを決めた中須賀克行

優勝/中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)

「雨予報だったので、ナーバスな気持ちでウイークに入りました。走り始めも、緊張でうまく走れませんでした。ドライコンディションならという手ごたえはありました。金曜日、土曜日と雨のセッティングを出しながら戦いました。その中で水野選手が一歩リードしていたので、雨だときついなと思ったのですが、晴れてくれました。長島選手もロングランがよかったから、来るだろうなと思っていました。とにかく前に出ていきたいと思っていたら、運よく出ることができました。ほぼ完走すればチャンピオン獲得という状況でしたが、それでいいのか自問自答しました。(J-GP3の)尾野選手がしっかり勝ってチャンピオンを決めたのを見て、自分も全力を出し切ろうと思いました。その中で勝ってチャンピオンを決められてよかったです」

今回は得意のスタートが決められなかったと語る2位の野左根航汰

2位/野左根航汰(Astemo Pro Honda SI Racing)

「バッシングポイントが難しいコースなのでスタートで前に出たかったのですが、スタートでローンチコントロールが入らず手動でやったら埋もれてしまいました。いきなりのドライコンディションで感覚が戻せなかったこともあります。長島選手と中須賀選手が(スタート直後に)やりあってくれたから、ついていくことができました。雨は得意なのに金曜日に焦って大きな転倒をしました。メインカーも流れも壊しました。岡山国際サーキットは得意だから中須賀選手を倒したかったのですが、一枚も二枚も上手でした」

ダンロップに表彰台をプレゼントした3位の長島哲太

3位/長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)

「(表彰台まで)長かったです。日本に戻って、JSB1000クラスに初参戦して、ダンロップタイヤを選択しました。昨年は課題が明確になっただけで、今年は少しずつ改善できました。自分が前に進んでいるのか迷うときがありますが、確実に結果が残せたので自信につながりました。ダンロップにとってもデータになります。感慨深い一戦になりました」