全日本ロードレース第6戦岡山のST600クラスは長尾健吾(TEAMKENKEN YTch)が優勝した。

スケジュールが遅れ、影が長くなったころに19 周の決勝がスタート。松岡玲(ITO RACING BORG CUSTOM)がホールショットを奪う。オープニングラップで小山知良(JAPAN POST Honda RACING TP)と順位を入れ替える激しいトップ争いを展開。ここに長尾も加わり、3台が入り乱れる。

2周目に長尾がトップ浮上。後続を引き離しにかかる。松岡と小山が2位争いを展開しながら長尾を追う。この2位争いに伊達悠太(AKENO SPEED・MAVERICK)が加わり、3台での争いに。

長尾はハイペースでトップ独走態勢に移行。2位争いからは小山が抜け出しにかかる。

レース後半。小山のペースが上がらず、松岡、伊達の争いに飲まれ、さらには集団の最後尾に落ちてしまう。

レース終盤。南本宗一郎(AKENO SPEED・YAMAHA)が2位争いの集団に追い付き、さらには小山のペースも戻り、南本、伊達、小山、松岡の4台での2位争いに。

長尾は悠々と今季初優勝。最終ラップまで激しかった2位争いは小山に軍配。伊達が3位表彰台を獲得した。

「久々に優勝することができて自信が戻ってきた」と長尾健吾

優勝/長尾健吾(TEAMKENKEN YTch)

「毎回、いけると思ってもいけないのがチームけんけんです。今回はコンディションが安定していないし、決勝もドライかウエットか分からないので、気負わず、自分のペースを刻もうと思っていました。テストのペースは自信があったので、一つ一つコーナーを回れれば俺のレースだと強気でいけました。スタートは失敗したのですが、前のライダーたちがエキサイトしているのが見えました。いったん前に出て様子を見ることにしたら、ちょっとずつ差が開いているというサインボードが出ました。最後の6、7周は、もうやめろ、OKだというサインになりました。腕上がりの症状が出ていたので、最後は甘えました。久々に優勝できたので、自信も戻ってきました。自分の走りができれば、パフォーマンスはいところにあると証明できた大会でした」

「2位を死守するためにペースをコントロールしました」と語った2位の小山知良

2位/小山知良(JAPAN POST Honda RACING TP)

「人生で初めて腕上がりを経験しました。長尾選手は事前テストからアベレージがよく、追い付けないことは分かっていました。途中で2位死守のためにペースコントロールをして一度休み、残り5周でまたペースを上げました。最終戦は、とにかく去年のリベンジがしたいです。体が厳しい中できついコースレイアウトですが、失うものはないので、ビッグバトルを見せたいです」

「チャンピオンシップを意識しすぎた」と3位の伊達悠太

3位/伊達悠太(AKENO SPEED・MAVERICK)

「ウイーク初のドライ走行が決勝になってしまいました。朝のフリー走行で路面が乾けばよかったのですが、微妙にドライタイヤでは怖いなというコンディションだったので、レインタイヤで走りました。テストの仕上がりがあまりよくなかったので、試したいことがあったのにできませんでした。テストよりも滑りやすくて、みんなリアが流れていました。精神的にチャンピオンシップを意識しすぎて、転倒できませんでした。松岡選手と小山選手の気合に弾き飛ばされながら走りました。そんな中で表彰台を獲得できたので、最終戦はもう少し納得できる走りをしたいと思います」