ベゼッキのダブルロングラップ
マルコ・ベゼッキはフィリップアイランドに優勝候補の一人として到着した。しかし、2週間前にマンダリカでマルク・マルケスを転倒させたことによる2周のペナルティが、彼の野心に大きく影響した。スプリントレースでは表彰台の頂点に立ったが、日曜日は2回のロングラップペナルティを科せられていた。だが、それにもかかわらずベズは驚異的な追い上げを見せ、3位でフィニッシュした! 間違いなく、シーズン終盤で最も好調なライダーだ。
ディ・ジャンアントニオの予選
ファビオ・ディ・ジャンアントニオの場合、週末の結果を左右したのはQ2での10位という不振だった。MotoGPでは3列目より後ろのグリッドでは優勝の可能性がほぼなくなるほど競争が激しい。ディ・ジャンアントニオは、そのための驚異的なペースを保ち、2位でチェッカーフラッグを受けた。彼は、ボルゴ・パニガーレのブランドにとってここ数年で最も不振だった週末に、ドゥカティの名誉を守る役割を担った。
アレックスの2度の転倒
Q2で2度の転倒に見舞われたにもかかわらず、アレックス・マルケスはスタートグリッドの2列目を確保した。しかし、この二つのインシデント、特に第1コーナーでの激しい転倒により、彼はドゥカティのフロントに対する信頼性を大きく失ってしまった。
「今日はリスクを冒すレースではなく、可能な限りベストを尽くしてポイントを獲得するレースだと決めた」
そして彼はそのようにレースを運んだ。最初の周回で6位につけた後、7周にわたって2位を走行した。だが、レース終盤にディ・ジャンアントニオとベゼッキに抜かれ、アレックスは順位を落とすことに抵抗しなかった。だが、アレックスは1週間後にセパンで行なわれるレースで、ランキング2位を確定させる準備ができている。
ラウルのレースマネジメント
ラウル・フェルナンデスのMotoGP初優勝という大きな勝利。つい最近まで、彼がモーターサイクルのエリートとして走り続ける実力があるかどうか疑問視されていた。昨日のスプリントレースでは2位でゴールし、ベゼッキがレースで受けたペナルティにより、優勝の有力候補となったことを示唆した。これまで過激すぎるライディングスタイルで知られていたラウルは、今回はタイヤと自身のペースを完璧に管理した。世界選手権は、低排気量クラスで注目を集めたライダーの最高の姿を取り戻した。
KTMのリアタイヤの消耗
レース後にKTM陣営は、全マシンのリアタイヤの性能が大幅に低下し、ペドロ・アコスタが後続のライダーたちに完全に追い抜かれてしまったことに困惑していた。
「問題が生じることは分かっていた。だから僕は通常の70%から80%のスピードで走ったが、それでも十分ではなかった。何が起きているのか理解しなければならない」
こうした状況にもかかわらず、フィリップアイランドではレース終了時点でトップ10に3台のオーストリア製バイクが入った。そして、そのうちの1台は代役として出場したポル・エスパロガロだった。カタルニア出身の彼は現役ライダー並みのスピードをまだ保っており、それはKTMにとって大きなプラスだ。
(マニュエル・ペチーノ)