全日本ロードレース第7戦鈴鹿MFJ-GPのJSB1000レース1は水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)が優勝した。

早朝は雨に見舞われた土曜日の鈴鹿サーキット。レーススケジュールが始まるまでにやんだものの天候は回復せず。JSB1000クラスのレース1が始まる直前に、再び雨粒が落ち始めた。ところが本格的な雨にもならず、微妙なコンディションになってしまった。

選手紹介が終わったタイミングで雨脚が強まり始めた。グリッドではタイヤ交換、マシン交換と慌ただしい。多くのマシンがウエットタイヤを装着する中、中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)はスリックタイヤを選択。しかしサイティングラップを終えるとピットに入っていった。

好スタートを切ってレースをリードしたのは水野。浦本修充(AutoRace Ube Racing Team)が背後につけ、一騎打ちを開始する。後方では長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)、岩田悟(Team ATJ)、津田拓也(Team SUZUKI CN CHALLENGE)、日浦大治朗(Honda Dream RT SAKURAI HONDA)、渥美心(Yoshimura SERT Motul)、野左根航汰(Astemo Pro Honda SI Racing)、阿部恵斗(SDG Team HARC-PRO.Honda)が3位争いを開始。

トップ争いは水野が少しずつ浦本を引き離しにかかる。3位争いグループの先頭は長島から岩田、長島、津田と次々に交代。

14周のレースの7周目。雨脚が一気に強まる。水野と浦本はそれぞれ単独走行。3位争い集団からは津田が抜け出して単独走行。

12周目。5番手走行中の長島が転倒。

ラスト2周。日浦大治朗(Honda Dream RT SAKURAI HONDA)が津田との差を詰める。しかしバトルを仕掛ける前に津田が転倒。

最終ラップ。雨量が増えて赤旗が提示される。これで12周終了時点の結果で決着。水野は鈴鹿で5連覇を達成。浦本、日浦が表彰台を獲得した。

「優勝という結果でチームに返すことができてうれしい」と勝利を喜んだ水野涼

優勝/水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)

「優勝することができてうれしいです。開幕戦で優勝してからすぐにケガをしました。最終戦までうまくいかないレースが続きました。優勝という結果でチームに一つ返せたのがうれしいです。このウイークで雨が1回もなくて、ぶっつけ本番だったから、だれもペースがつかめない状況でした。序盤にアドバンテージを築こうという作戦だったので、コースインのときにタイヤの皮むきを意識しました。最後は雨量が増えて危なかったので、もっと早めに赤旗を出してほしかったです」

「頑張ってついていこうとしたけれど厳しくなりました。明日はリベンジしたい」と浦本修充

2位/浦本修充(AutoRace Ube Racing Team)

「予選までいい流れできていて、決勝は雨になりました。あまり雨の経験がなかったので、様子を見ようと水野選手の後ろにつきました。頑張ってついていこうとしたけれど、厳しくなって、そのまま終わりました。本当に悔しいし、明日はリベンジしたいです。SUGOテストで水野選手が転んだのを見ていました。彼がつらいシーズンを送っていたのも見ていたので、心からおめでとうと言いたいです」

「今日はラッキーで表彰台が獲得できました。明日は実力で登りたい」と語った日浦大治朗

3位/日浦大治朗(Honda Dream RT SAKURAI HONDA)

「表彰台に乗ることができてうれしいです。今回もラッキーでの表彰台獲得だったので、明日は実力で登れるように頑張りたいです。チーム桜井ホンダが本当にいいバイクを用意してくれたので、チームと応援してくれているファンのおかげだと思います。だから今日は心から喜びたいです」