全日本ロードレース第7戦鈴鹿MFJ-GPのJ-GP3決勝は中谷健心(MotoUP Jr Team)が優勝した。
決勝日は朝から雨に見舞われた。決勝レースは2周減算の11周という周回数が設定された。
好スタートを切ってホールショットを奪ったのは中谷。あっという間にトップ独走態勢を築く。
セカンド集団の先頭は高杉奈緒子(TEAM NAOKO KTM)から仲村瑛冬(TeamLife.HondaDream Kitakyushu)へと替わる。徳留真紀(MARUMAE MTR PlanBee Racing)が高杉をかわして3番手に浮上とオープニングラップで激しく順位を入れ替える。徳留はジャンプスタートでライドスルーペナルティが科されて後退。高杉はペースが上がらず後退。替わって最後尾グリッドからスタートした尾野弘樹(P.MU 7C GALESPEED)がセカンド集団に加わる。尾野は1周目に6番手、2周目は3番手、3周目にはセカンド集団トップに浮上。尾野に2位争いを挑んだのは岡崎静夏(JAPAN POST Honda RACING TP)。尾野と岡崎はポジションを入れ替えながらドッグファイトを展開。ここに大田隼人(MARUMAE DreamKitakyushu CPARIS)、松田基成(Like a Wind ・ CLUB Y’s)、仲村を加えた5台が団子状態に。
中谷はオープニングラップで6秒以上の差をつけて独走態勢に。セカンド集団トップは仲村、尾野、岡崎と次々に入れ替わる。
残り2周。2位争いは尾野、大田、岡崎の3台の争いの激しさが増す。
中谷は雨の中で最後まで快走を見せ、全日本初優勝。46秒以上のアドバンテージを築いての圧勝だった。2位争いは最終ラップでスパートをかけた尾野に軍配。最後まで尾野にプレッシャーをかけた岡崎が3位表彰台を得た。

優勝/中谷健心(MotoUP Racing)
「朝のフリー走行のときからタイム差があったのは分かっていました。決勝は、いつもどおりの自分の走りに集中して走ろうと思った結果、初めて1位を取ることができました。本当にうれしいです。転ばないことだけを考えて走っていたのですが、思った以上にいける感覚がありました。最後は盛り上げたい気持ちがあってペースを上げたら、盛り上がってくれたからうれしかったです」

2位/尾野弘樹(P.MU 7C GALE SPEED)
「最後尾グリッドからのスタートとなってしまったので、2位で終えられたのは非常によかったと思います。ウオームアップ走行でも中谷選手が非常に速いペースだったので、自分にできるのは表彰台、もしくは2位かなと思いました。できる限りのことはできました。中谷選手がMiniGPに参戦していたころはアドバイザーという立場でした。悔しくもあり、うれしくもあります。今日は中谷選手の健闘をたたえたいです」

3位/岡崎静夏(日本郵便 Honda Racing TP)
「天候が悪い中、各コーナーでたくさんの人が応援してくれました。雨に苦手意識があったのに、何とか戦える位置に来られたことはうれしいです。正直、尾野選手と戦えるとは思っていませんでした。一緒に走れてうれしかったです。決勝前にチームから『雨なら中谷選手が速いから、無理して追いかけずに落ち着いていけ』と言われていました。最低限の結果かなとは思います。ただ、若松選手が出ていたら結局4位だったのではないかと思うと悔しいです」