ヤマハ発動機は、MotoGPマシンのYZR-M1が2026年からV型4気筒エンジンを搭載して参戦することを11月16日に正式発表した。

MotoGPマシン初年度の2002年、直列4気筒(インライン4)エンジンを搭載してデビューしたYZR-M1は、以後、429戦で125勝、350回以上の表彰台を獲得し、バレンティーノ・ロッシ、ホルヘ・ロレンソ、ファビオ・クアルタラロにより、トータル8回のライダータイトルを獲得。コンストラクタータイトルを5回、チームタイトルを7回獲得し、通算5回の3冠(ライダー、コンストラクター、チームタイトル)を獲得した。

2021年にクアルタラロがチャンピオンを獲得し、2023年以降は唯一の直列4気筒エンジン搭載MotoGPマシンとして参戦していたが、各MotoGPマシンの進化と共にヤマハは新たな技術的要求に適応するという課題を受け入れて、DNAを守りつつV型4気筒エンジンを新規開発。今シーズンよりワイルドカード参戦による実戦テストを進めて来た結果、2026年はV型4気筒エンジンを選択することを決定。2025年最終戦バレンシアGP後のオフィシャルテストより、全ライダーがV型4気筒エンジンのYZR-M1でテストを開始する。

「インライン4は数十年にわたり、ヤマハの哲学の中心に位置づけられて来ました。忘れられない勝利をもたらし、高い精度とコントロールで評判を得て来ました。このエンジンが成し遂げたこと、そしてそれによって歴史を作ったライダーたち、そして彼らが皆で共にレースの伝統を形作ってきたことを、私たちは誇りに思います。しかし、MotoGPは常に進化しており、それに伴って我々も進化していく必要があります。V4はヤマハにとって新たな一章であり、「スピリット・オブ・チャレンジ」とレースのDNA、そしてトップで戦うために必要な技術的ソリューションを組み合わせたものです。私たちの目標は変わらず、ライダーたちに最高のバイクを勝ち取り、世界中のファンに「感動」をもたらすことです」とヤマハ発動機MS開発部長の鷲見崇宏氏。