2026年2月19日付けで、2027年からMotoGPオーストラリアGPは開催会場をアドレードストリートサーキットになることが発表された。

フィリップアイランドが会場ではなくなることが確定したことは、MotoGPファンにとっては時代の終焉を意味している。この発言は終末論的に聞こえるかもしれないが、リバティメディアが世界モーターサイクル選手権に参入したことで生じた変化の一例に過ぎない。

フィリップアイランドサーキットは世界戦のカレンダーにおいて象徴的な会場だった。『世界の果て』とも呼ばれるこのサーキットは、ライダー、ファンにとって、エキサイティングなレースが展開される人気の高い会場だった。しかし、これらの魅力はカレンダーに残すには十分ではなかった。フィリップアイランドは遠隔地であること、サーキット施設やホテルなどのインフラ不足がより大きな重みを持った。

この状況を受けて旧ドルナ(現MotoGPスポーツエンターテイメントグループ)は、ビクトリア州当局に対し、MotoGPオーストラリアGPをメルボルン市に移し、F1で使用されているアルバートパークサーキットで開催するように要請(というよりは要求)した。ビクトリア州はこの提案を拒否。替わりに島のインフラ整備のために多額の資金提供を提案した。ドルナは24時間も経たないうちにこの提案を拒否した。そして数時間後には南オーストラリア州の州都アデレードに移転することが正式に発表された。アデレード・ストリートサーキットの改修…。間違いなく世界戦へのアプローチに根本的な変化が訪れている。

公にはカルメロ・エスペレータが、MotoGP及びMotoGPスポーツエンターテイメントグループが管轄するすべての選手権のトップにとどまっている。だが、ドルナの買収が正式に締結される前からリバティメディアが決定権を持っていた。ドルナのナンバー1とナンバー2であったエスペレータとエンリケ・アルダマの経営体制の移行には2、3年かかると予想されており、その後、MotoGPプロモーターの中枢はマドリードからロンドンに移るだろう。

リバティメディアがMotoGPに適用する方針に戻ると、その未来はF1に描かれている。グランプリはスポーツイベントから、魅力的なポストサーキットを生み出すことができる舞台で開催されるエンターテイメントイベントへと変化する。つまり、大都市圏と結びついたイベントだ。2027年にブエノスアイレスで開催される予定のアルゼンチンGPは、このフォーマットの最もいい例と言える。テルマス・デ・リオ・オンドの努力と優れた実績にもかかわらず、アルゼンチンGPは活気あふれる首都に移転することになる。

フィリップアイランドでの出来事は、リバティメディア、あるいはMotoGPスポーツエンターテインメントグループ(名称はともかく)が、MotoGPファンが流す感動の涙は考慮に入れていないことを如実に示している。新しいフォーマットは、ビジネスロジックを100%優先している。大企業の社長たちといったVIPゲストを、どうして遠隔地のサーキットに招待できようか。

MotoGPは常に大口スポンサーが不足しており、この状況を打開することがリバティメディアの最優先課題だ。しかし、スポンサーは投資を活性化させる必要があり、そのためにはレースをイベントとして盛り上げる必要がある。マドリード・オープンテニス大会を例に挙げよう。ほとんどの人はテニスに興味がなく、せいぜいアルカラスがプレーするときに少しコートに行く程度だ。ほかのし合いではスタンドは空席ばかりだが、VIPボックスは完売しており、スポンサー不足に陥ることはない。ソーシャルメディアでのハイライトで十分なのだ。

これが将来のMotoGPの姿であり、好むと好まざるとにかかわらず、遅かれ早かれ訪れる未来だ。

(マニュエル・ペチーノ)

事前イベントとして開催されていたファンパレード。GPライダーとGPファンのサンレモからサーキットまでのツーリングは毎年恒例になっていた