MotoGP開幕戦タイGPの後、エストレージャ・ガリシア0,0は支援しているライダーを記者会見に招集した。マルク・マルケス、ディオゴ・モレイラ、ホセ・アントニオ・ルエダ、ディフェンディングチャンピオンの3人である。予想どおりマルクに質問が集中した。マルクはすべての質問に正面から向き合い、非常に興味深い回答を残した。
(マニュエル・ペチーノ)
Q ライダーは、コントロールできない予期せぬ出来事に備えて今日できることを明日に延ばさないようにしているのか。
「以前は全く考えていなかったが、年を重ねるにつれて、より考えるようになってきた。ルエダやモレイラは決して考えないと言うだろう。僕は少しずつ考えるようになっているけれど、レースがスタートしてしまえば全く考えない」
「開幕戦のレース後の記者会見では自分が幸運だったことを強調しなかったが、もし状況が違っていたら、僕はここにいなかっただろう。もしタイヤがもう少し早くパンクしていたら、間違いなくクラッシュしてコースアウトしていた。これは自分の力ではどうにもならないことだ」
「今回はタイムロスしてもコースアウトするという安全策をとったのだが、それが裏目に出てしまった。去年だったらコースにとどまろうとしていたかもしれない。Moto3でもMoto2でも、そしてMotoGPでも縁石を飛び越えたことはあるが、今回は違う結果になった。説明はできないし、説明を求めるつもりもない。ただ次のレースに集中しているだけだ」
Q レース後にタルドッツィがアクシデントのあったコーナーを点検している映像が流れたが、何か説明はあったのか。ミシュランとは話をしたのか。
「もうその話を蒸し返したくない。だってポイントはもらえないのだから。状況を分析する必要はあるけれど、それは日曜日まで。その後は次にどうするかを考えるべきだと学んだ。ミシュランのせいでも、リムのせいでも、縁石のせいでもないと思う。タルドッティはチームマネージャーとしてアクシデントの原因を理解しようと現場に赴き、何も問題はなかった」
「縁石はライダーを跳ね飛ばすように設計されているから、出るときではなく、入るときに注意しなければならない。縁石は、このような状況やクラッシュに備えて設計されている。ライダーが受ける衝撃を最小限にするためだ。今回の出来事はとても奇妙だった…」
「映像で見ただろうけれど、ホイールは完全に曲がってしまったが、幸運なことにタイヤが外れたのはずっと後だった」
Q スプリントでペドロ・アコスタとのバトル中に接触があったとしてポジションを一つ後退するペナルティは、少し厳しいと思うか。
「適応しなければならない。サッカーのペナルティを同じだ。以前は反則でなかったハンドが今では反則になったり、その逆もあったりする」
「毎シーズン、スチュワードによってレッドラインが引かれるが、今回はその線が少し引き下げられた。彼らはシーズンをとおしてそのラインを維持しなければならないし、我々ライダーは適応しなければならない」
Q チャンピオンシップが決まる場面だったとしたら?
「繰り返すけど、これはラインを設定し、同じアクションに同じルールを適用するということ。ペナルティがどう、アクションがどうということではない。今回はとてもギリギリの判断だったことは承知している。接触をねらった訳ではなく、ただインに入ってしまっただけなんだ」
「もちろん現在のMotoGPではブロックパスを少し強引にしなければならないのは事実。そうしなければ、アコスタが僕を抜こうとするたびに起こったこと、つまり彼が少し膨らんで僕が飛び出して追い抜くという事態になる。それが新しい制限であり、繰り返しになるが、我々ライダーは適応しなければならない」
「Moto3で何が起こったか見てほしい。以前は多くのペナルティが科されていたが、今では少なくなっている。ペナルティを避けるためにオーバーテイクをもっと慎重に考えるようになるかもしれない」
Q アコスタが貴方を王座から引きずり下ろそうとする大胆さの中に2013年のマルク・マルケスの姿が反映されていると思うか。
「…2013年のマルク・マルケスは初年度に優勝した」
Q 昨シーズンに発揮した冷静さと力強さは、今季は失っているのか。
「シーズンをとおしては普通のことだ。タイで見られたようにトップグループに食い込んで戦い、トップ集団に近付こうと努力をする。あるレースではいい結果につながっても、別のレースでは悪い結果になることもある。『異常』なのは、昨シーズンに起こったことだ。7レース連続優勝、スプリント7連続優勝、多くの週末で37ポイントを獲得し、残り4レース、いや5レースでタイトルを獲得した」
「とにかく日曜日の出来事のせいでタイの週末は散々だったように見えるが、2番手グリッドからスタートし、スプリントでも2位でゴールした。日曜日はあの出来事がなければ表彰台に上がっていたはず」
「去年と同じレベルに到達するために、さらに一歩前進するために、準備を続けなければならない。昨シーズン後半ですでに目の当たりにした。もてぎではペッコに、モンメロではアレックスに、ミサノではベゼッキに負けた。どのレースも毎回、全く別の世界なんだ」
Q ルエダとモレイラ、二人のルーキーへのアドバイスは。
「二人ともすでに世界チャンピオンだ。僕が彼らにアドバイス? …僕のスポーツキャリアでは経験しなかったこと。それは忍耐。ステップアップしたとき、チャンピオンの勢いに乗ってスタートするが、ピットストップしたり、うまくいかずに20位になることもある。あるレースでは調子がよくても、別のレースでは調子が悪くなることもある。2レースがよくて、1レースが悪いということもある。だから少しずつ勢いをつけていくんだ」
「たとえば去年のダビド・アロンソのように、シーズン序盤こそ悪かったけれど、シーズンをすばらしい形で締めくくった。だから努力を続ける必要がある。才能はあふれている。だからこそ彼らはチャンピオンなんだ」
「弟のアレックスはMotoGPにステップアップして苦戦した。Moto3からMoto2にステップアップしたときも苦戦したが、最終的にはチャンピオンになった。要するに、すべてのライダーとすべての人には時間が必要なんだ」