MotoGP第11戦ドイツMotoGPクラス2日目、スプリントが土曜日、ドイツ東部にあるザクセンリンクで開催された。Moto3で起こったエアフェンス修理の赤旗中断により予定の10分遅れ、日本時間午後10時10分(現地時間午後3時10分)から15周で開催されたスプリントは、気温14度、路面温度18度、湿度92%、小雨の降るウエットコンディション。雨でも観客は多かった。

タイヤ選択は、ヨハン・ザルコ(ホンダ)は前後ウエットミディアム、小椋藍(アプリリア)は前後ウエットソフト、それ以外のライダーは全員、前ウエットミディアム後ウエットソフトだった。2023年イギリスGP以来となるウエット宣言のレース。サイティングラップもウォームアップラップも水しぶきが上がる程の状態だった。

スタートは、P.P.スタートのマルク・マルケス(ドゥカティ)が好スタートを切るが、1コーナーでミスし、ロングラップエリア近くまで膨らんだ隙に、トップはマルコ・ベゼッキ(アプリリア)、続いてフランコ・モルビデリ(ドゥカティ)、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)、ザルコの順に変わる。しかし、ザルコは序盤、タイムが伸びず、徐々に順位を落とす。更に、ミスで4番手となったマルク・マルケスをファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)がかわし、マルク・マルケスは再び5番手で1周目を終えた。

その後ろには、アレックス・マルケス(ドゥカティ)、ペドロ・アコスタ(KTM)、ブラッド・ビンダー(KTM)、ジャック・ミラー(ヤマハ)、ザルコの順で続いた。3周目に入るとトップのベゼッキは2番手モルビデリを0.7秒以上離し、モルビデリも3番手クアルタラロを0.9秒以上離していた。だが、モルビデリは8コーナーで激しく転倒、リタイア。

4周目に入ると、マルク・マルケスがジャンアントニオを捉え、3番手に浮上した。7周目にはマルク・マルケスはレース最速となる1分28秒826を記録、前を行くクアルタラロに迫った。その後ろでは、5周目にジャンアントニオを捉え4番手まで順位を上げていたアコスタが8周目8コーナーで転倒、再スタート。その後、11番手を走行していたフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)を10周目には抜いていた。

トップ3は、7周目の1分29秒402をピークに、そこから1分29秒後半タイムが増えたクアルタラロをマルク・マルケスが9周目に捉えて2番手へ。残り5周ではトップのベゼッキと1.3秒以上の差があったが、後半に入っても1分28秒台を記録するなど、徐々にベゼッキに迫った。ベゼッキもコンスタントに1分29秒台を記録、12周目には自信レースラップ最速の1分29秒288を記録するが、最終ラップへ入るホームストレートでマルク・マルケスと並ぶ。

1コーナー、マルク・マルケスが前に出て、2コーナーではベゼッキが抜き返すが、力及ばず、その後マルク・マルケスに再び先を許し、最後はマルク・マルケスが0.938秒差をつけてチェッカー。今季スプリント10勝目。2位ベゼッキ。3位はジャンアントニオの追い上げをかわしたクアルタラロ。クアルタラロと0.322秒差4位はジャンアントニオ。5位にはミラーが入った。6位ビンダー、7位ザルコ、8位アレックス・マルケス、9位は転倒のあったアコスタが1ポイントを獲得。10位フェルミン・アルデゲール(ドゥカティ)。18番グリッドスタートだった小椋藍(アプリリア)は一時20番手まで順位を下げたが、最後は17位、完走。

明日は日本時間午後4時40分(現地時間午前9時40分)から10分間のウオームアップ走行後、MotoGPクラスライダーのパレードも行なわれ、日本時間午後9時(現地時間午後2時)から30周の決勝が始まる。

雨の中、大勢の観客に見守られたスタート
最終ラップまでもつれたトップ争い。マルク・マルケスはホルヘ・マルティンの年間9勝を上回り、年間スプリント勝利記録数を更新

 

MotoGP第11戦ドイツMotoGPスプリント
順位 ライダー 車両 トップ差
1 マルク・マルケス ドゥカティ
2 マルコ・ベゼッキ・ベゼッキ アプリリア 0秒938
3 ファビオ・クアルタラロ ヤマハ 4秒361
4 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ ドゥカティ 4秒683
5 ジャック・ミラー ヤマハ 9秒405
6 ブラッド・ビンダー KTM 11秒720
7 ヨハン・ザルコ ホンダ 12秒090
8 アレックス・マルケス ドゥカティ 12秒347
9 ペドロ・アコスタ KTM 17秒236
10 フェルミン・アルデゲール ドゥカティ 18秒728
11 ミゲール・オリベイラ ヤマハ 19秒486
12 フランチェスコ・バニャーヤ ドゥカティ 20秒339
13 ラウル・フェルナンデス アプリリア 21秒978
14 ジョアン・ミル ホンダ 23秒077
15 アレックス・リンス ヤマハ 23秒575
16 ルカ・マリーニ ホンダ 29秒220
17 小椋藍 アプリリア 31秒433
18 ロレンツォ・サルバドーリ アプリリア 50秒698
RT フランコ・モルビデリ ドゥカティ