MotoGP第12戦チェコMotoGPクラス2日目、スプリントが土曜日、チェコ中東部にあるブルノ・サーキットで開催された。日本時間午後10時(現地時間午後3時)から10周で開催されたスプリントは、気温25度、路面温度36度、湿度47%、雲は多いものの晴れたドライコンディション。

タイヤ選択は、マルコ・ベゼッキ(アプリリア)、ヨハン・ザルコ(ホンダ)、ホルヘ・マルティン(アプリリア)、小椋藍(アプリリア)、中上貴晶(ホンダ)は前ミディアム後ソフト、それ以外は全員、前後ミディアムだった。好スタートのP.P.バニャーヤがホールショットを奪うも、間もなく、マルク・マルケス(ドゥカティ)が先頭に立った。

8番グリッドスタートのアレックス・マルケス(ドゥカティ)はスタートで横に振れ、大きく順位を落とした後、前を走っていたフェルミン・アルデゲール(ドゥカティ)との接触で更に19番手まで順位を落とした。5番グリッドのジョアン・ミル(ホンダ)、13番グリッドのファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)、15番グリッドのアレックス・リンス(ヤマハ)もスタートの混戦で順位を落とした。

2周目に入り、後方ではワイルドカード参戦のアウグスト・フェルナンデス(ヤマハ)がスライドダウン、それに巻き込まれる形で中上も転倒。両者リタイア。トップのマルク・マルケスは、3周目に入るとバニャーヤとの差が0.5以上開く。2番手バニャーヤもファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)をパスし、3番手へ順位を上げたペドロ・アコスタ(KTM)との差が0.5秒程度に広がった。

4周目にはその差が1秒ずつに広がり、迎えた5周目、2番手を走行していたバニャーヤが後ろを振り返った後に順位を落とし始めた。ジャンアントニオは5周目に転倒、リタイア。トップはマルク・マルケス、2番手アコスタ、3番手には11番グリッドスタートから好スタートで順位を上げて来たエネア・バスティアニーニ(KTM)、4番手クアルタラロ、バニャーヤは一気に5番手まで順位を落とした。

6周目に入ると、トップを独走していたマルク・マルケスも後方を確認し、アコスタへ先を譲る。7周目に入り、順位を取り戻してきたベゼッキがバニャーヤを捉え、アコスタ、マルク・マルケス、バスティアニーニ、クアルタラロ、ベゼッキ、バニャーヤの順に変わる。

アコスタの後ろにピタリと付いてラスト2周を迎えたマルク・マルケスは、9周目10コーナーで再びアコスタを捉え先頭に立った。マルク・マルケスはそのままトップでチェッカー。2位アコスタ、3位バスティアニーニ。4位ベゼッキ、5位クアルタラロ、6位には最終ラップでバニャーヤの前に出たラウル・フェルナンデス(アプリリア)。7位バニャーヤ、8位ザルコ、9位ポル・エスパロガロ(KTM)、10位ブラッド・ビンダー(KTM)。11位に復帰戦のマルティンが入った。小椋は16位、完走。

ゴール後、マルク・マルケス、リンス、小椋にはタイヤ内圧の調査が入った。バニャーヤのタイヤ圧は実際には正常だったものの、何らかのアクションが必要なサインは出ていた上、バニャーヤのマシンには既にスタートのグリッド時点で少し電気系統の問題があったらしい。

レース数分後には、タイヤ内圧違反もなかったとされ、結果、マルク・マルケスはスプリント優勝記録を11勝に伸ばした。バニャーヤを抜いて、マルティンの16勝に次ぐスプリント勝利数単独2番手となった。アコスタは、昨年アラゴン以来のスプリント表彰台。バスティアニーニは、KTMで初の表彰台。

MotoGPクラス決勝は、明日、日本時間午後9時(現地時間午後2時)から21周で始まる。中上はスプリント後、右膝の後十字靭帯損傷が判明し、明日は欠場。

タイヤ内圧のためにペドロ・アコスタ(KTM)に先を譲ったものの最後はトップを奪還のマルク・マルケス(ドゥカティ)

 

MotoGP第12戦チェコMotoGPスプリント
順位 ライダー 車両 トップ差
1 マルク・マルケス ドゥカティ
2 ペドロ・アコスタ KTM 0秒798
3 エネア・バスティアニーニ KTM 1秒324
4 マルコ・ベゼッキ アプリリア 1秒409
5 ファビオ・クアルタラロ ヤマハ 2秒292
6 ラウル・フェルナンデス アプリリア 3秒358
7 フランチェスコ・バニャーヤ ドゥカティ 3秒648
8 ヨハン・ザルコ ホンダ 3秒920
9 ポル・エスパロガロ KTM 4秒748
10 ブラッド・ビンダー KTM 5秒902
11 ホルヘ・マルティン アプリリア 6秒000
12 ジャック・ミラー ヤマハ 6秒379
13 ミゲール・オリベイラ ヤマハ 7秒081
14 フェルミン・アルデゲール ドゥカティ 7秒612
15 ルカ・マリーニ ホンダ 8秒681
16 小椋藍 アプリリア 8秒992
17 アレックス・マルケス ドゥカティ 9秒404
18 アレックス・リンス ヤマハ 9秒871
19 ジョアン・ミル ホンダ 11秒487
RT ファビオ・ディ・ジャンアントニオ ドゥカティ
RT 中上貴晶 ホンダ
RT アウグスト・フェルナンデス ヤマハ