SBK(スーパーバイク世界選手権)第8戦ハンガリーラウンドは、ハンガリーのバラトン・パークサーキットで2日目のレース1が開催された。

SBKのレース1は気温32度、路面温度41度のドライコンディションの下、21周の予定でスタートを切ったが、スタート直後の2コーナーでアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)が転倒、イケル・レクオナ(ホンダ)、ライアン・ビッカーズ(ドゥカティ)、レミー・ガードナー(ヤマハ)、ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)、ヤリ・モンテッラ(ドゥカティ)、ギャレット・ガーロフ(カワサキ)が巻き込まれて転倒し、赤旗中断となった。

レースは1周減算の20周でクイックスタートにより再スタートが切られることになったが、レクオナとガードナーはメディカルに運ばれため、ビッカーズはマシンの修復が間に合わずにリタイア。ペトルッチも再スタートのウォームアップラップを走ることができず、最後尾グリッドからのスタートを余儀なくされた。多重クラッシュの原因を作ったイアンノーネは出走したが、危険走行のペナルティとして、ダブルロングペナルティを受けた。

レースはポールスタートのトプラク・ラズガットリオグル(BMW)がスタートからトップに立つと、1周目に約コンマ5秒、2周目に約1秒、3周目には約2秒と2番手以下とのリードを広げて独走。レース中盤にはその差を最大4秒389まで拡大し、一度もトップの座を譲ることなく、独走で13勝目(フルレースで8勝、スーパーポールレースで5勝)を記録した。

序盤はアンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)が2番手を走ったが、5周目にサム・ロウズ(ドゥカティ)がロカテッリを交わして2番手に浮上。ロカテッリは6周目にはニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)にも交わされ、4番手に後退する。

7周目に2番手のサム・ロウズが2コーナーで転倒リタイアし、ロカテッリは3番手に復帰したが、9周目には後方から追い上げてきたアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)がロカテッリを交わして3番手に浮上する。

サム・ロウズの転倒で2番手に上がったブレガだが、この時点でトップを行くラズガットリオグルとは3秒804差があり、その差を縮めることができず2番手をキープしたまま周回を重ね、2位でチェッカーを受けた。この結果、ラズガットリオグルがランキングトップに再浮上し、ブレガは9ポイント差のランキング2位に後退した。

バウティスタはロカテッリとのポジション争いを制すると、前を行くブレガを追ったが背後に迫るまでには至らず、単独3番手をキープ。3位に入賞し、今シーズン9回目の表彰台を獲得した。

ロカテッリは終盤にアレックス・ロウズ(ビモータ・カワサキ)、ペトルッチに接近されたものの、最後は振り切って4位入賞。残り4周でアレックス・ロウズを交わしたペトルッチが5位に入賞し、アレックス・ロウズはペトルッチと0秒416差の6位に入賞した。

7位にヤリ・モンテッラ(ドゥカティ)、8位にチャビ・ビエルへ(ホンダ)、9位にギャレット・ガーロフ(カワサキ)、10位にアクセル・バッサーニ(ビモータ・カワサキ)が入賞。

マイケル・ファン・デル・マーク(BMW)が11位、ドミニク・エガター(ヤマハ)が12位、イアンノーネが13位、タラン・マッケンジー(ドゥカティ)が14位、バハティン・ソフォグル(ヤマハ)が15位に入賞。

ミシェル・ルーベン・リナルディ(ヤマハ)は16位、ティト・ラバット(ホンダ)は17位、ザクワン・ザイディ(ホンダ)は1周遅れの18位でチェッカーを受けた。

ジョナサン・レイ(ヤマハ)は序盤は5番手を争っていたが、8番手走行中の15周目の1コーナーで転倒、再スタートを切ったものの、16周目の4コーナーで2度目の転倒を喫し、リタイアに終わった。

SSP
SSP(スーパースポーツ世界選手権)のレース1は気温31度、路面温度42度のドライコンディションの下、18周で争われた。

2番グリッドからスタートしたジャン・オンジュ(ヤマハ)がレースをリード。2周目には2番手以下に約1秒のリードを取るが、3周目に2番手に浮上したステファノ・マンジ(ヤマハ)がその差を縮め、10周目にオンジュをパスしてトップに浮上。

トップに立ったマンジはリードを広げていき、終盤に入ると2秒以上のリードを取ると、最終的に3秒834差をつけてトップでゴール。今シーズン6勝目を記録した。

2位にオンジュが続き、ヤマハ勢がワンツーフィニッシュ。ポールポジションからスタートしたボ・ベンスナイダー(MVアグスタ)が3位に入賞した。

鳥羽海渡(ホンダ)は12周目には13番手に浮上し入賞圏内で走行を重ねていたが、残り3周となった16周目の9コーナーで転倒、再スタートしたものの、ピットに戻ってリタイアとなった。

ヤマハR3
ヤマハR3 bLU cRUワールドカップのレース1は気温28度、路面37度のドライコンディションの下、10周で争われた。

序盤からアライ・アガスカ、アレッサンドロ・ディ・ペルシオ、久川鉄平の3人が抜け出し、4番手以下にリードを取ってトップ争いを展開。

久川がトップで最終ラップに入り、コース終盤までトップをキープしていたが、最終コーナー手前の最終シケインでアウトからディ・ペルシオ、インからアガスカが久川を挟み、アガスカがトップに立ち、R3カップ初優勝を達成。ポイントリーダーのディ・ペルシオが2位、久川が僅差の3位に入賞した。

奥貫 翔は前戦イギリスラウンドのレース2でのペナルティで、ダブルロングラップペナルティを受けたため8位入賞。ジーン・健人・ターナーは2周目の11コーナーで転倒、再スタートして19位でチェッカーを受けた。

FIM WCR
土曜日最初の決勝レースとなったFIM WCR(ウーマンズ・レーシング世界選手権)は、スタート直前に第4セクターで雨が落ち始め、ホワイトフラッグが掲示されたが、気温28度、路面温度36度のドライコンディションの下、11周で争われた。

1周目のコントロールラインをクロエ・ジョーンズ(ヤマハ) がトップで通過するが、マリア・エレーラ(ヤマハ) が2周目にトップに浮上。エレーラ、ジョーンズ、ポールスタートのビアトリス・ネイラ(ヤマハ) ら5人がトップ集団を形成して周回を重ねる。

エレーラは残り4周あたりからペースを上げて単独トップに立つと、2番手に1秒395差をつけてトップでチェッカーを受け、今シーズン4勝目を記録。

最終ラップまで接戦となった2番手争いを、最終コーナー手前のシケインで前に出たジョーンズが制し、0秒141差の僅差の3位にネイラが入賞した。

SBK第8戦ハンガリー SBK決勝レース1 リザルト(20周)

1 トプラク・ラズガットリオグル(BMW)
2 ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ) 3秒738
3 アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ) 6秒002
4 アンドレア・ロカテッリ(ヤマハ) 13秒993
5 ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ) 16秒174
6 アレックス・ロウズ(ビモータ・カワサキ) 16秒59
7 ヤリ・モンテッラ(ドゥカティ) 24秒048
8 チャビ・ビエルへ(ホンダ) 26秒675
9 ギャレット・ガーロフ(カワサキ) 29秒62
10 アクセル・バッサーニ(ビモータ・カワサキ) 30秒105
11 マイケル・ファン・デル・マーク(BMW) 33秒236
12 ドミニク・エガター(ヤマハ) 33秒767
13 アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ) 36秒971
14 タラン・マッケンジー(ドゥカティ) 37秒944
15 バハティン・ソフォグル(ヤマハ) 38秒243
16 ミシェル・ルーベン・リナルディ(ヤマハ) 45秒308
17 ティト・ラバット(ホンダ) 46秒406
18 ザクワン・ザイディ(ホンダ) 1周
R ジョナサン・レイ(ヤマハ)
R サム・ロウズ(ドゥカティ)
R イケル・レクオナ(ホンダ)
R ライアン・ビッカーズ(ドゥカティ)
R レミー・ガードナー(ヤマハ)