全日本ロードレース選手権第4戦もてぎのJ-GP3クラスは尾野弘樹(P.MU 7C GALESPEED)が優勝した。

昨日に続いて好天気に恵まれ、朝から気温が上昇した日曜日。ウオームアップラップに出るところで2番手グリッドの荻原羚大(WJ-FACTORY SANWAracing B-tribe)のエンジンがかからず、ひやっとする場面もあったが、事なきを得て無事に18周のレースがスタート。

ホールショットを奪ったのはポールシッター尾野弘樹(P.MU 7C GALESPEED)。若松怜(JAPAN POST docomo business TP)、荻原と続く。

オープニングラップで尾野と若松が順位を入れ替えるトップ争いを展開。2周目は尾野、若松、荻原が3台同時に1コーナーに飛び込んでいく。3台は接近戦を続けながら後方を引き離す。セカンド集団は武中駿(Team Plusone)、中谷健心(MotoUP Jr Team)、飯高新悟(KIJIMA KISS RC with Katudenki)、富樫虎太郎(SDG Jr. 56RACING)の4台で形成。

4周目あたりから荻原がトップ集団から遅れ出し、単独3番手で周回を開始。

尾野の背後につけていた若松は、じわじわと離され、レース中盤には尾野、若松、荻原とトップ3台がそれぞれ単独走行に。

レース後半に入り、セカンド集団から抜け出した武中が単身で荻原を追いかけ始める。

レース終盤には3位争いが激化。17周目に2台は接触。武中が転倒。これで再び荻原が単独3番手走行に。

尾野は最後まで力強い走りを見せて3連勝。若松は単独2位フィニッシュ。スポット参戦の荻原が3位表彰台を獲得した。

「今週は全セッショントップで走れたし、タイヤも体力もきつかったけれど、久々に強いレースができたかな」と尾野

●優勝/尾野弘樹(P.MU 7C GALESPEED)
「この暑さの中での18周はきついと想定していましたが、なかなか残り周回数が減らず、タイヤも自分の体力のマネージメントもきつくて、この5年間で一番しんどいレースでした。いつ転倒するか分からない状況で危ないシーンが何度かありましたが、そこで耐えてチェッカーまでバイク運べたからこそ、この結果を得ることができました。全セッショントップで、2番手ともアドバンテージのあるレースウイークを過ごせて、久々に強いレースができたんじゃないかと思っています」
「残り3戦も最後まで何が起こるか分からないので、引き続き、体調を整えながら一つ一つ結果にこだわってやっていきたいです」

「準備をしてきたけれど足りませんでした。次こそやられたらやり返します」と若松

●2位/若松怜(JAPAN POST docomo business TP)
「例年とは違う8月の大会ということで、暑いことは見越していました。サマーブレイク中も暑さに慣れるために必死にトレーニングに励みました。前戦の筑波は、レース1で転倒、レース2では前半はバトルができたけれど後半は離されてしまったので、その対策もやってきました。それでも準備が足りなかったのか、今回もまた離されてしまいました。練習から予選、決勝までトップを譲る形になってしまったからとても悔しいです」
「次戦オートポリスは、再来週にテスト、3週間後にはレースです。やられたらやり返すつもりで、全セッショントップを目指して準備したいです」

「マシントラブルが出てしまいましたが、アジアタレントカップに向けていい練習になりました」と荻原

●3位/荻原羚大(WJ-FACTORY SANWAracing B-tribe)
「今週に入ってから練習走行でマシントラブルがあり、レースシミュレーションできずに、ぶっつけ本番のレースになってしまいました。気温は暑かったですが、アジアタレントカップは一年中暑いレースなので、その部分ではアドバンテージがあるかと思っていました。しかし、レースが始まったらまたマシントラブルが出てしまい、その中で神経を使って走っていたので、思った以上に疲れてしまいました。前の尾野選手、若松選手も離れていったのできつかったです。なかなか集中しきれないレースになりましたが、スポット参戦で表彰台を獲得でき、来月のアジアタレントカップがある日本GPに向けて、いい練習になりました」