後輪タイヤの選択が分かれた
ライダーたちはレース用にSコンパウンドとMコンパウンドの二つの選択肢から選択。前者の方がレース序盤で効果的だったのに対し、後者は後半で優位性を示した。マルコ・ベゼッキとペドロ・アコスタは前者を選択した一方、マルク・マルケスとホルヘ・マルティンはMコンパウンドを選んだ。各ライダーのレース展開は、アコスタの場合を除き、予想どおりだった。タイヤが適切な温度に達すると、マルクはベゼッキを簡単に抜き去り、マルティンは驚異的なスピードでライダーを次々と抜き去り、チームメイトに迫る勢いを見せた。マルティンは16番グリッドからスタートし、4位でフィニッシュした。

マルクのレース戦略
前述のとおり、リアにMコンパウンドを選択したマルクは、今季示してきたレースペースマネージメントの成熟度を継続。タイヤが最適な作動温度に達するまで待機し、ベゼッキに襲いかかるタイミングを待った。二度のオーバーテイクの失敗後、ミスを避けるため短い休憩を取った。その後アプリリアを抜き去ると、後は25ポイント獲得。再び無敵となった。

ペナルティ
最終的なレース結果は、過去のレースで課されたペナルティとレース中に課されたペナルティによって明らかに影響を受けた。アレックス・マルケスはスタートグリッドで3ポジションを失い、ファビオ・クアルタラロはロングラップペナルティを、エネア・バスティアニーニはダブルロングラップペナルティを科せられた。レース中、フランチェスコ・バニャーヤはロングラップのペナルティを科せられ、フェルミン・アルデゲールも同様のペナルティを受け、フランコ・モルビデリはシケインを飛ばしたためポジションを一つ失った…。スチュワードパネルのメンバーは、この週末の報酬を十分に稼いだと言えるだろう。

アルデゲールのクラッシュ
ポディウムの有力候補だったグレシーニレーシングのライダーは、27周目の14周目で5位を走行中にクラッシュした。彼はレースに復帰したが、3周後、最終シケインの進入をミスしたためロングラップペナルティを受けた…。フェルミンはレースリーダーよりも速いペースでフィニッシュした。

存在感のないヤマハ
レッドブルリングでの先週の惨敗に続き、バラトンパークもヤマハにとって忘れたいGPとなった。16台しか完走しなかったレースで、ヤマハの最上位は10位。ライバルたちが明確な競争力向上を示した中、ファクトリーチームのM1とチームプラマックのM1は、さらに脆弱な立場に立たされている。彼らの最大の欠点は、慢性的で解決不能なトラクション不足…。ライダーたちはV4の登場を待ち望んでいる。

(マニュエル・ペチーノ)