IATC(イデミツ・アジア・タレントカップ)第4戦が日本GP併催で、栃木県のモビリティリゾート・もてぎで開催された。金曜日にフリー走行、土曜日に予選と決勝レース1、日曜日に決勝レース2が開催された。
予選では池上聖竜が2分01秒097でポールポジションを獲得。2番手に2分01秒827で荻原羚大、3番手に2分01秒969で松山遥希、4番手に2分02秒325で飯高新悟が続き、ワイルドカード参戦したアメリカ国籍の松平賢正は2分03秒087で6番手、同じくワイルドカード参戦の戸高綸太郎は2分03秒794で13番手となった。
決勝レース1は土曜日の夕方に気温27度、路面温度40度のドライコンディションの下、13周で争われた。荻原と池上が抜け出して、接戦のトップ争いを展開。荻原が0秒015差で池上を抑えて優勝。2位に池上、3位にバッドリー・アヤトゥッラーが入賞した。
飯高は3番手争いに加わり、僅差の5位入賞。7位に松平、戸高は11位が入賞し、松山は2周目の8コーナーで転倒リタイアに終わった。

決勝レース2は日曜日の朝に気温24度、路面温度33度のドライコンディションの下、13周で争われた。レース2も荻原と池上が接戦のトップ争いを展開、萩原が0秒043差で優勝。開幕戦から負けなし8連勝を達成。池上は最終ラップにも前に出たものの、萩原に逆転され、2レース連続の2位となった。
3番手争いの接戦を制して飯高が3位に入賞し、日本人ライダーが表彰台を独占。
戸高は7位に入賞。松山は7周目の90度コーナーで転倒リタイア。松平は2周目の3コーナーで転倒リタイアに終わった。

「FPこそトップに立てましたが、予選は池上選手に取られたし、地力でのペースは池上選手の方がある状況でした。レース1は後半に自分がレースを引っ張って、リードしていたのを抑えた形で優勝しましたが、レース2は池上選手がリードしていました。自分は90度コーナーの進入で前に出て勝つことができました。レース1からバイクのセットアップを変更して、レース2はブレーキ重視にしていたので、最後のブレーキ勝負ができました。昨日のセッティングのまま今日の展開だったらきつかったと思うので、変更してよかったです。次のインドネシアは去年も勝ったコースだし好きです。次に2回優勝すればチャンピオンが決まりますが、あまり気にしないようにしたいです。まだタイトル争いの実感はありません」とダブルウインを飾った荻原。
「今週はフィーリングがよくて、単独でもトップに立てたし、コースレコードも更新できて、高い期待値でレースに臨みました。自分がトップを引っ張るレースができたし、自分はペースもよくて、荻原選手が前に出るとペースが落ちるような展開でした。でも2レースとも、結局は最後に勝ち切れず、すごく悔しいです。自分の意識やライディングは変えられてきたので、課題は最後のレース展開、最後のバトルだけです。次のインドネシアは嫌いじゃないし、去年も2位表彰台に立っているので頑張ります」と池上。
「レース1はバイクも人間も全体的にうまくいかずに悔しい結果でした。今までトップに立ったことがなかったのですが、レース2は一瞬ですがトップに立てて自信になりました。結局前は離れてしまったけれど、いい流れが作れたと思います。絶対に1回はトップに立たないとと思っていて、それが今週の目標でした。でも最後トップに離されてしまったので、点数としては60点とか50点くらいです。荻原選手も池上選手も速くて、ものすごい差ではないのですが、レースになるときついですね。インドネシアは初めてですが、なんとなく好きなコースかなって思っているので頑張ります」と飯高。
「金曜は調子がよくて、いいフィーリングセッティングを詰めることができました。でも土曜からリズムがつかめず、予選もよくありませんでした。レース1はスタートで出遅れてしまい、焦っていたこともあって転倒してしまいました。カタールでも同じような転倒をしているのでなおさら悔しかったです。レース2は、スタートはまずまず決まり、積極的に前に出て、自分の走りをアピールしたのですが、90度コーナーでリアが浮いて転倒してしまいました。とても悔しいです」と松山。
「金曜から思ったよりもタイムを出すことができず、普段全日本で乗っているバイクとの違いに苦戦しました。タイヤやブレーキやサスペンションが違うので、アジャストするのに時間がかかってしまいました。レース1は周りに飲み込まれてしまい、しっかり前にプッシュすることができませんでした。レース2はできるだけ前に出るようにして、本当はもう一つ前の集団にいたかったけれど、自分がいた集団のトップではゴールできたのでよかったです。今回の参戦は楽しかった部分もあるし、つらい部分もあるレースウイークでした」とワイルドカード参戦の戸高。