SBK(スーパーバイク世界選手権)第11戦エストリルラウンドは、ポルトガルのエストリルでレース2が開催された。
SBKレース2
SBKのレース2は気温25度、路面温度38度のドライコンディションの下、21周で争われた。
ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)が好スタートを切ってレースをリード。ポールスタートのトプラク・ラズガットリオグル(BMW)はスタートで出遅れ、1周目を5番手で終える。
ラズガットリオグルは2周目には2番手まで挽回するが、この間にトップのブレガはリードを広げ、2周目のコントロールラインで二人の間には1秒449の差ができていた。
2番手に浮上後、ブレガを追撃するラズガットリオグルに対し、ブレガも5周目にはファステストを更新。6周目にはラズガットリオグルがファステストを更新、7周目と8周目には2周連続でブレガがファステストを更新するなど、攻防が繰り広げられる。
レース中盤にはその差は約2秒に広がるが、ラズガットリオグルは再びプッシュして1秒半前後に差を縮める。しかし、終盤に入った16周目に再びその差は約2秒となり、その後はブレガが差を広げ、最終的に4秒868差で優勝。ラズガットリオグルは2位に入賞し、二人のタイトル争いは最終戦決着となった。ランキングトップのラズガットリオグルは580ポイント、ランキング2位のブレガは541ポイント、その差は39ポイント。
3位にはアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)が入賞。バウティスタは4周目に3番手に浮上すると、アレックス・ロウズ(ビモータ・カワサキ)、アンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)、チャビ・ビエルへ(ホンダ)、ジョナサン・レイ(ヤマハ)、レミー・ガードナー(ヤマハ)、が僅差で続き、接戦を展開。終盤まで続いたアレックス・ロウズとの接戦を下し、最後はバウティスタが単独3番手となり、そのまま3位に入賞。
4番手争いは終盤にはそれぞれ差が開き、アレックス・ロウズが4位、ロカテッリが5位、ビエルヘが6位、ガードナーが7位に入賞。アクセル・バッサーニ(ビモータ・カワサキ)が8位、レイが9位、マイケル・ファン・デル・マーク(BMW)が10位に入賞した。
ギャレット・ガーロフ(カワサキ)が11位、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)はジャンプスタートのダブルロングペナルティを受け、追い上げて12位に入賞。13位にライアン・ビッカーズ(ドゥカティ)、14位にバハティン・ソフォグル(ヤマハ)、15位にヤリ・モンテッラ(ドゥカティ)が入賞した。
ティト・ラバット(ホンダ)は16位、長島哲太(ホンダ)は17位、ボビー・フォン(ヤマハ)は18位でチェッカーを受けた。
タラン・マッケンジー(ドゥカティ)は17周目の1コーナーで転倒リタイア。イケル・レクオナ(ホンダ)は12周目の7コーナーで転倒リタイア。イヴォ・ロペス(ホンダ)は4周を終えてピットに入りリタイアミシェル・ルーベン・リナルディ(ヤマハ)は3周目の7コーナーで転倒リタイアに終わった。
SSPレース2
SSP(スーパースポーツ世界選手権)のレース2は気温23度、路面温度30度のドライコンディションの下、18周で争われた。
序盤はジャン・オンジュ(ヤマハ)がレースをリードするが、5周目にバレンティン・デビス(ドゥカティ)がトップに立つと、ステファノ・マンジ(ヤマハ)が2番手に続き、オンジュは3番手で周回を重ねる。
デビスは終盤の15周目までトップをキープし、マンジと接近戦のトップ争いを展開していたが、16周目にマンジがトップに浮上、デビスは16周を終えてピットインしリタイアに終わる。
これで単独トップとなったマンジが優勝。2秒599差の2位にフィリップ・エッテル(ドゥカティ)が入賞し、今シーズン2回目の表彰台を獲得。25番グリッドから追い上げて、3位にジェレミー・アルコバ(カワサキ)が入賞し、アルコバはSSP初表彰台に立った。
鳥羽海渡(ホンダ)は21位、岡本裕生(ヤマハ)は25位でチェッカーを受けた。
オンジュは12周目まで3番手につけていたが、その後に後退、9位でチェッカーを受けた。これでランキングトップのマンジとランキング2位のオンジュのポイント差は82ポイントとなり、マンジが最終戦を待たずにSSP初タイトルを獲得。ウイニングラン中にゴールドのレーシングスーツに着替え、チャンピオン獲得を祝った。マンジは投入1年目のヤマハYZF-R9を初年度でチャンピオンマシンへと導き、ヤマハはSSPクラスのライダー、マニュファクチャラーズタイトルを獲得した。
「チャンピオンを獲得でき本当に素晴らしい気持ちだ。今の気持ちを言葉にするのは難しい。2年間の努力の末、ついに目標を達成することができた。バイクに乗り始めたころから夢見ていた瞬間だ。ヤマハYZF-R9の投入1年目に、チャンピオンを獲得できたのは特別なこと。新しいバイクで初年度に優勝するのは難しいものだが、メーカーとライダーの両方のSSPタイトルを獲得できたことは、信じられないほど素晴らしい。パタ・テン・ケイト・レーシング・ヤマハから受けたサポートは、計り知れないものだった。彼らはサーキット内外で私を支えてくれ、家族のような存在だったた。チャンピオンを獲得して、彼らに恩返しができたことをうれしく思う」とマンジ。
SSP300レース2
SSP300(スーパースポーツ300世界選手権)のレース2は気温27度、路面温度38度のドライコンディションの下、12周で争われた。
レースは序盤から終盤まで大きな集団による接戦が展開。最終的に11人のライダーがトップグループを形成し、カーター・トンプソン(カワサキ)が優勝した。僅差の2位にベナット・フェルナンデス(Kove)、3位にダニエル・モゲダ(Kove)が入賞。トップから1秒113の中に11人のライダーがひしめく接戦となった。
SSP300クラスのマニュファクチャラーズタイトルは最終戦を待たずに決着、3年連続でカワサキが獲得した。
ヤマハR3レース2
ヤマハR3 bLU cRUワールドカップのレース2は気温21度、路面温度27度のドライコンディションの下、10周で争われた。
序盤から終盤まで接戦のトップ争いが展開。4周目から7周目までジーン・健人・ターナーが、8周目と9周目のコントロールラインを奥貫 翔がトップで通過する。
ターナーは最終ラップにトップに立ち、最終コーナーを先頭で立ち上がったが、ゴールラインまでのストレートで、エイモン・ボカネグラ、アレッサンドロ・ディ・ペルシオがスリップから抜け出し、ボカネグラが初優勝を達成。
前戦でタイトルを確定させたディ・ペルシオが2位、ターナーは僅差の3位となった。奥貫も最後までトップ集団に加わり、僅差の4位入賞。久川鉄平はトップ集団につけていた2周目の3コーナーで接触されて転倒リタイアに終わった。
これでヤマハR3 bLU cRUワールドカップの2025年シーズンは終了。6戦12レース中7勝を記録したディ・ペルシオがチャンピオンを獲得し、アライ・アグスカが114ポイント差のランキング2位、マリオ・サレスが2位と3ポイント差のランキング3位に続いた。
イギリスラウンドで1勝を記録した久川はレース1終了時点でランキング2位につけていたが、レース2のノーポイントで3位と4ポイント差のランキング4位。奥貫がランキング8位、ターナーがランキング9位となった。
SBK第11戦ポルトガル SBK レース2 リザルト(21周)
1 | ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ) | 33分40秒088 |
2 | トプラク・ラズガットリオグル(BMW) | 4秒868 |
3 | アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ) | 15秒331 |
4 | アレックス・ロウズ(ビモータ・カワサキ) | 17秒333 |
5 | アンドレア・ロカテッリ(ヤマハ) | 20秒567 |
6 | チャビ・ビエルへ(ホンダ) | 22秒205 |
7 | レミー・ガードナー(ヤマハ) | 23秒634 |
8 | アクセル・バッサーニ(ビモータ・カワサキ) | 24秒480 |
9 | ジョナサン・レイ(ヤマハ) | 26秒080 |
10 | マイケル・ファン・デル・マーク(BMW) | 29秒579 |
11 | ギャレット・ガーロフ(カワサキ) | 29秒707 |
12 | アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ) | 31秒657 |
13 | ライアン・ビッカーズ(ドゥカティ) | 35秒666 |
14 | バハティン・ソフォグル(ヤマハ) | 38秒164 |
15 | ヤリ・モンテッラ(ドゥカティ) | 38秒577 |
16 | ティト・ラバット(ホンダ) | 39秒119 |
17 | 長島哲太(ホンダ) | 51秒801 |
18 | ボビー・フォン(ヤマハ) | 1’07秒588 |
R | タラン・マッケンジー(ドゥカティ) | 5周差 |
R | イケル・レクオナ(ホンダ) | 9周差 |
R | イヴォ・ロペス(ホンダ) | 18周差 |
R | ミシェル・ルーベン・リナルディ(ヤマハ) | 19周差 |