MotoGP第19戦オーストラリアMotoGPクラス2日目、スプリントが土曜日、オーストラリア、フィリップ・アイランド・グランプリ・サーキットで開催された。日本時間午後1時(現地時間午後3時)から13周で始まったスプリントは気温14度、路面温度29度、湿度59%、海と空の青が美しく晴れ渡ったドライコンディション。強いと風速18km/hの風は吹いていた。

ウオームアップラップでマルコ・ベゼッキ(アプリリア)のマシンにカモメが激突するというハプニングがあり、ベゼッキのマシンのウイングには激突した鳥の羽が付いたままでのスタートとなった。地元オーストラリア人ファンが多く見守る中、好スタートでジャック・ミラー(ヤマハ)が先頭に立った矢先に2列目スタートのアレックス・マルケス(ドゥカティ)がトップを奪った。しかし、ラウル・フェルナンデス(アプリリア)がアレックス・マルケスをかわし先頭に立つと、2番手にベゼッキが上がり、3番手以降はアレックス・マルケス、ミラー、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)、ペドロ・アコスタ(KTM)、ポル・エスパロガロ(KTM)、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)、フェルミン・アルデゲール(ドゥカティ)、ブラッド・ビンダー(KTM)のトップ10で2周目を迎えた。

2周目、ビンダーが転倒、リタイア。3周目フェルナンデスは自己最速ラップ1分27秒239でベゼッキを離そうとした。4周目に入ると後方で小椋藍(アプリリア)が16番手まで順位を上げた。5周目、アレックス・マルケスと3番手争いをしていたミラーが3番手に上がる。再びアレックス・マルケスが抜き返し、アレックス・マルケス、ミラー、アコスタの三つ巴となった3番手争いは、7周目、2台のスリップストリームを使い、アコスタが3番手へ浮上。中盤では20番手スタートのエネア・バスティアニーニ(KTM)がアルデゲールをかわして11番手まで上がっていた。

先頭はフェルナンデスのまま、7周目には1分27秒122のレース最速ラップを記録してベゼッキが追い上げた。残り4周、10周目に入ると、ベゼッキはフェルナンデスを捉えトップに立つ。フェルナンデスとの差は徐々に開き、トップはベゼッキ。2番手フェルナンデスは独走状態となった。

現在MotoGPライダーで一番抜き辛いと言われ始めたアコスタが3番手、その後ろにミラー、終盤はアレックス・マルケスをかわしたジャンアントニオが着けて、最終ラップまで激しい3位争いが繰り広げられた。11周目にはアルデゲールが転倒、リタイア。

先頭に立ったベゼッキは、最後は2位と3秒以上差を広げてトップでチェッカー。2位はフェルナンデス。スプリントでアプリリアがワンツーは史上初。激しい3位争いはアコスタが逃げ切って3位表彰台を獲得。ミラーがアコスタと0.066差で4位。ジャンアントニオがミラーと0.040差で5位だった。アレックス・マルケス6位、P.P.のクアルタラロは7位、8位はルカ・マリーニ(ホンダ)。9位はエスパロガロ。以上がポイント獲得。小椋は16位完走でチェッカーを受けた後、タイヤ圧違反の8秒加算で17位となった。

明日は当初の予定の1時間遅れとなる日本時間午後1時(現地時間午後3時)から27周の決勝が開催される。日本時間午前8時40分(現地時間午前10時40分)からは10分間のウオームアップ走行も行なわれる予定。

アプリリア初のスプリントワンツーフィニッシュを果たしたラウル・フェルナンデス(アプリリア/前)とマルコ・ベゼッキ(アプリリア/後)
観客を魅了する3位争いを繰り広げたペドロ・アコスタ(KTM)、ジャック・ミラー(ヤマハ)、アレックス・マルケス(ドゥカティ)、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)~前から順
MotoGP第19戦オーストラリアMotoGPスプリント
順位 ライダー 車両 トップ差
1 マルコ・ベゼッキ アプリリア
2 ラウル・フェルナンデス アプリリア 3秒149
3 ペドロ・アコスタ KTM 5秒310
4 ジャック・ミラー ヤマハ 5秒376
5 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ ドゥカティ 5秒416
6 アレックス・マルケス ドゥカティ 6秒109
7 ファビオ・クアルタラロ ヤマハ 8秒706
8 ルカ・マリーニ ホンダ 8秒938
9 ポル・エスパロガロ KTM 9秒252
10 エネア・バスティアニーニ KTM 9秒752
11 ジョアン・ミル ホンダ 10秒231
12 ヨハン・ザルコ ホンダ 12秒104
13 アレックス・リンス ヤマハ 12秒132
14 ミゲール・オリベイラ ヤマハ 17秒494
15 フランコ・モルビデリ ドゥカティ 18秒967
16 小椋藍 アプリリア 19秒784
17 ロレンツォ・サルバドーリ アプリリア 25秒185
18 ソムキャット・チャントラ ホンダ 28秒945
19 フランチェスコ・バニャーヤ ドゥカティ 32秒408
20 ミケーレ・ピロ ドゥカティ 35秒523
RT フェルミン・アルデゲール ドゥカティ
RT ブラッド・ビンダー KTM