全日本ロードレース最終戦MFJ-GPのST1000クラス決勝は井手翔太(AKENO SPEED・RC KOSHIEN)が優勝した。
朝から雨に見舞われた決勝日。ST1000はウエット宣言が出された。周回数も2周減算され、10周で争われることになった。雨脚は強まったり弱まったりを繰り返していた。
好スタートを切ってホールショットを奪ったのは羽田太河(Astemo Pro Honda S I Racing)。すぐに國峰啄磨(TOHO Racing)が首位奪取。國峰はハイペースで後続を引き離しにかかる。2番手に後退した羽田、荒川晃大(Astemo Pro Honda SIRacing)、亀井雄大(RTJapan M Auto and Kamechans)、井手翔太(AKENO SPEED・RC KOSHIEN)と続く。荒川はペースが上がらず徐々に後退。逆に亀井が徐々に順位を上げる。
3周目。トップ國峰が転倒。
同じ周に羽田を捕らえた亀井がトップの座に。羽田は亀井の後方で周回。その羽田との差を詰める井手。その井手を射程距離に捕らえたまま周回を重ねる荒川。その後方ではナカリン・アティラットプワパット(AstemoSIRacing withThaiHonda)と作本輝介(TOHO racing)が5位争いを展開。
5周目。トップ亀井が転倒。これで羽田が首位。井手が荒川と2位争いを展開しながら羽田との差を詰め始めた。
7周目に井手が首位奪取。羽田と井手は何度もポジションを入れ替える。翌周も二人は順位を入れ替える激しいトップ争いを展開。8周目にしっかりと前に出た井手が突き放しにかかる。羽田は荒川に2位争いを挑まれる。
9周目にナカリンの前に出て4番手に浮上した作本が転倒。
井手は後続を引き離して今季初優勝。羽田と荒川の2位争いは荒川に軍配。羽田は3位表彰台でタイトル獲得を決めた。

優勝/井手翔太(AKENO SPEED・RC KOSHIEN)
「心からうれしいです。チームが造り上げてきた結果です。昨日までドライコンディションだったから、レインコンディションがどういうフィーリングなのか、みんながどんなペースなのかが見えていませんでした。ランキングに関係なかったから、攻めるだけでいいというシンプルな作業だったから、いいレースができました」

2位/荒川晃大(Astemo Pro Honda SIRacing)
「ウイークとおして調子があまりよくなかったのですが、雨のレースで結果が残せてよかったと思います。今年はあまり表彰台に乗れていなかったので、スポンサー、応援してくれる人たちに恩返しができたかなと思います」

3位/羽田太河(Astemo Pro Honda S I Racing)
「最後は勝って終わりたかったけれど、レインコンディションだと厳しいことは分かっていました。雨だったら優勝よりもチャンピオンだけを目指そうと思っていました。結果としてチャンピオンになれてよかったです。今年の初めからいいバイクを用意してもらって、いい結果を残せたので、チームに感謝しています」