全日本ロードレース最終戦鈴鹿MFJ-GPのJSB1000クラス決勝レース2は水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)が優勝した。

朝から雨雲に包まれた鈴鹿サーキット。雨脚は強まったり弱まったりを繰り返していた。

木曜日の走行で転倒、体を痛めた中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)はレース2を欠場というアナウンスから始まった。さらに津田一磨(Team BabyFace)もグリッドからマシンをピットに戻してしまう。

水しぶきを挙げながらのスタート。真っ先に1コーナーに突入したのは野左根航汰(Astemo Pro Honda SI Racing)だったが、先に立ち上がったのは浦本修充(AutoRace Ube Racing Team)。再び前に出る野左根。浦本はヘアピンで野左根の前に出る。この2台に水野、岩田悟(Team ATJ)を加えた4台がトップ集団を形成。シケインで首位奪取した水野がオープニングラップを制する。

水野はすぐに逃げを打つ。浦本が水野を追いかける。2台が集団から抜け出す。

4周目に中村竜也(KRP SANYOUKOUGYO RSITOH)が激しく転倒。これでセーフティカーが導入される。

7周目を終了してセーフティカーが解除された。8周目からリスタートが切られると水野は再び後続を引き離しにかかる。浦本に野左根が迫る。しかし野左根はペースが上がらず、浦本は野左根を引き離して水野を追う。一時はその差が詰まったものの、水野がペースを上げる。浦本はペースを上げられない。水野は一人旅に移行する。

レース終盤は水野が淡々とトップを周回。浦本は2番手、野左根は3番手とそれぞれトップ3は単独走行。水野は最後までハイペースで周回し、鈴鹿サーキットでの6連勝を達成した。

「優勝できてうれしいです。でも雨の中でのセーフティカーは今後考慮してほしい」と水野涼

優勝/水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)

「2レース共に優勝できてうれしいです。1年間支えてくれたチームに感謝したいです。ただ視界不良、雨が強くなる中でのセーフティカーは、今後考慮してほしいと思いました。一度赤旗を出してリセットした方が安全だったのではないかと思います」

「水野選手と比べたらスピードが足りませんでした」と浦本修充

2位/浦本修充(AutoRace Ube Racing Team)

「今日はシーズン最後のレース。かなり頑張ったのですが、何度も転びそうになりました。単純に水野選手と比べてスピードが足りなくて、2位に甘んじるしかない状態でした。また、水野選手と同じくセーフティカー中に何度もアピールしたのに最後までレースが続行されたことに疑問を感じました」

「エンジンもバイクもアップデートしてもらった中で最低限の仕事ができました」と野左根航汰

3位/野左根航汰(Astemo Pro Honda SI Racing)

「今回はエンジンがアップデートされ、バイクもチームが大きくアップデートしてくれました。ウエットコンディションに合わせきれなかったのですが、その中で3位表彰台というのは最低限の仕事ができたと思います。今日は視界も悪かったです。16周をしっかり走りきるのも大切だと思いますが、状況もしっかり見てほしいと思いました」