MotoGP第20戦マレーシアMoto3クラス2日目、決勝が日曜日、マレーシア、ペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットで開催された。日本時間午後1時(現地時間午後12時)から15周で開催される予定だった決勝は、サイティングラップの3コーナーで、ホセ・アントニオ・ルエダ(KTM)がノア・デッドウィラー(KTM)に激突。二人はドクターヘリで近隣の病院へ搬送される事故となり、レースは赤旗中断。ルエダは手の骨折と脳震盪があったものの、今は意識も高く、経過観察中。デッドウィラーも意識はあると伝えられた。
ドクターヘリの帰りを待ち始められた決勝は、日本時間午後2時45分(現地時間午後1時45分)ピットレーンオープンで、ウオームアップラップのみのクイックスタート、10周で開催された。気温34度、路面温度53度、湿度46%、雲はあるもののこの週末で一番晴れたドライコンディション。
スタートから、フロントロウ2番グリッドスタートの古里太陽(ホンダ)が好スタートでホールショットを獲得。マキシモ・キレス(KTM)、アルバロ・カルペ(KTM)、ダビド・アルマンサ(ホンダ)、バレンティン・ペローネ(KTM)、アンヘル・ピケラス(KTM)、グイド・ピニ(KTM)、山中琉聖(KTM)、ルカ・ルネッタ(ホンダ)、ブライアン・ウリアテ(KTM)のトップ10で続いた。
2周目に入り、古里は一時アルマンサにトップを譲るものの、3周目には再びトップへ。2周目、10番手付近では地元マレーシア人ライダーのハキム・ダニシュ(KTM)が2分11秒066のレース最速ラップを記録した。キレス、アルマンサ、カルペらによる2番手争いが激化する中、トップの古里は徐々にリードを広げて行く。4周目、コーマック・ブキャナン(KTM)が4コーナーで転倒、リタイア。
5周目に入ると、トップは古里のまま、2番手争いがキレス、ピニ、アルマンサ、アドリアン・フェルナンデス(ホンダ)、ピケラスで激しく順位が変わるバトルとなった。山中はカルペ、ルネッタらと7番手を争っていた。6周目、10番手付近の走行を続け、健闘していたダニシュがマシントラブルでリタイア。7周目に古里は2分11秒599の自己ベストレースラップを記録し、更に後続との差を広げた。残り3周の8周目に入ると古里は2番手以降を1秒以上離し、ピニ、フェルナンデス、アルマンサ、ピケラスらの2番手争いは激化。キレスは転倒しそうになりながらも持ち堪え、5番手に着けていた。
残り2周となった9周目、2番手を走行していたピニが転倒、再スタートしたものの大きく順位を落とす。3周目以降、安定した走りでトップ走行を続けた古里はそのままチェッカー。2位ピケラスは古里と2.259差でチェッカーを受けた。ピケラスと0.366秒差3位がフェルナンデス、4位アルマンサ。トップ4にホンダ勢が3台入った。小指骨折のため痛み止めを服用して参戦した山中はアルマンサと0.171秒差で5位。
古里はMoto3クラス初優勝を飾った。昨日10月25日が44歳の誕生日だった青山博一チーム監督は、表彰台で君が代が流れ涙を堪えていた。赤旗中断の事故があり、この後も3クラスとも表彰台でのシャンパンファイトは行なわれなかった。
年間ポイントは、チャンピオンのルエダが365。2番手は251ポイントでピケラス、3番手237ポイントのピケラス。4番手ケガで欠場中のダビド・ムニョス(KTM)197、5番手ジョエル・ケルソ(KTM)183。6番手カルペも183、7番手ホンダ勢トップのフェルナンデス163。今日の優勝で古里が140ポイントで8番手に上がった。山中は134ポイント9番手、ペローネ127で10番手。
次戦は2周間後の11月7日、金曜日に第21戦ポルトガルGPの走行が始まる。

| MotoGP第20戦マレーシアMoto3決勝 |
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|---|---|---|---|
| 順位 | ライダー | 車両 | トップ差 |
| 1 | 古里太陽 | ホンダ | |
| 2 | アンヘル・ピケラス | KTM | 2秒259 |
| 3 | アドリアン・フェルナンデス | ホンダ | 2秒625 |
| 4 | ダビド・アルマンサ | ホンダ | 4秒167 |
| 5 | 山中琉聖 | KTM | 4秒338 |
| 6 | アルバロ・カルペ | KTM | 4秒429 |
| 7 | マキシモ・キレス | KTM | 4秒496 |
| 8 | スコット・オグデン | KTM | 4秒678 |
| 9 | ブライアン・ウリアテ | KTM | 4秒729 |
| 10 | バレンティン・ペローネ | KTM | 6秒309 |