桶川スポーツランドのシリーズ戦
関東ロードミニの終盤2戦にエントリー!
今年の前半は本業等の都合もあり、GSX-R125ライスポ号でレースに出場することをお休みしていた筆者市川。暑すぎた夏の終わりとともに、待望のレース復帰となりました。桶川スポーツランドのシリーズ戦、10月19日開催の関東ロードミニ選手権第5戦にエントリーしました。自走のエンジョイライダーから、ミニバイクの手練れとも言うべき多数のサンデーレーサー、明日の小椋藍選手を目指す若いライダーなど、毎回多くの参加者でにぎわい、世界で活躍する選手を多数輩出したこの選手権に、今年も終盤の2戦に出場することにしました。
復帰を決めたレースウイークの水曜日、事前の練習のために久しぶりに桶スポに向かいました。この日は日曜日にレースに参加するライダーのために、通常のスポーツ走行に加え、オフィシャルが本番と同じようにフラッグを提示し、シグナルを使用したスタート練習も行なってくれます。
まずは、ほぼ10カ月ぶりの桶スポのコースで練習走行。久しぶりですが、それほど疲労を感じることなく最初の30分の走行枠を走り、そして、お昼休みの時間帯に行なわれるスタート練習に参加。その後夕方まで30分の走行を3本走行。さすがに体のあちこちに、歳なりの痛みを感じたところで終了。相変わらずテストの前に慌てて勉強する学生のころのようですが、事前の練習はこれでよしとしました。
レース当日は曇天、仲間のお手伝いに大感謝

迎えたレース当日、いつものように埼玉在住のJP250ライダー、醍醐侑希選手親子が市川をサポートすべく駆けつけてくれました。そして、ポケバイからロードレース地方戦にステップアップして活躍し、今年から伊勢崎オートレースの所属選手となり、既に17勝をマークしている佐々木光輝選手のお父さん、司(つかさ)さんも、「光輝が群馬に住むようになったから、ヒマなんですよ」と、仙台市内の自宅からレース前夜にハイエースで先乗りし、筆者市川の駐車スペースの場所取りを行なってくれました。こんな自分のために、いつでも駆けつけてレースを手伝ってくれる、醍醐親子や佐々木さんには頭が上がりません。

当日朝の空は曇天。季節の変り目ということもあるのか、この時期、桶スポ周辺の天気はどちらかと言えば不安定。しかし、事前練習として走った水曜日も、雨マークは付いていましたがほぼ降らず。思い起こせば昨年夏の関東ロードミニも、ゲリラ豪雨の予報があったものの、結局は1日晴れてレースは終了。今回も多分大丈夫、と楽観視し、事前にスペアホイールにレインタイヤを組むことをせず、ドライ用の新品タイヤを1セット組んだだけで、レース当日の桶スポにやってきました。ところが…。

市川が出走するインポートミニフレッシュマンクラスの台数は7台。GSX-R125が6台に、YZF-R125が1台。今回の使用コースは全周距離の短いショートコース。公式練習で皮むきしたタイヤを、再度ウオーマーで熱を入れ、予選はコースインから全開でアタック。
10カ月ぶりの桶川スポーツランドのレース。GSX-R125等、17インチのマシンが競うインポートミニも、各クラス盛況をみせる
調子は悪くなく、バイクもよく走っているものの、結果は最後尾。かつてタイ製GPXのワンメイクレースで競った、同世代の濱之上選手と1秒以上も差があります。さらに昨年は同じくらいのタイムで、決勝中もバトルした、全身ロッシレプリカのイソゴン選手こと磯子さんは、なんと予選2番手。市川から2秒以上も速いタイムをたたき出しています。10カ月もレースから離れていると、周りがどんどん速くなるのは当たり前ですが、少しショックでした。

決勝は丁寧に乗って、ペースアップを目指すしかない。そう考えていると、パラパラと雨が降ってきました。しまった。レインタイヤを組んでいないどころか、持参すらしていない。しかし、雨は降ったりやんだりの状態で、運営からはウエットレースの告知も出されましたが、路面は完全なウエットという訳でもなさそう。
インポートミニフレッシュマンの直前には雨もやみ、路面も少し乾いたと思いきや、グリッドにつく直前、再び大粒の雨が降ってきたのです。気休めに、ほとんど曇らないと評判の雨天専用のヘルメットシールドに交換し、スターティンググリッドへ。

実を言うと、この時点で筆者も開き直ったというか、逆に楽しくなってきました。そもそもモトクロスに熱中していたころ、土砂降りで、泥の中でバイクがまっすぐ走らないようなレースが好きでした。それに、『五十にして立つ』のGSX-R編の初年度、SUGOで初のレースのときも似た状況で、スタート直前に霧雨が降り、コースがうっすら濡れている状態でも、今日と同じドライ用、フロントはバトラックスBT-39SS、リアはバトラックスレーシングR11の組み合わせで膝を擦って完走したので、どこまでこのタイヤで濡れた路面を走れるか試してみたいという気持ちもありました。
雨の中でいよいよ決勝スタート!

雨足が強い中、サイティングラップを走ると、さらにテンションは高まり、スタートに集中。やった! ダッシュが決まり、前のグリッドの3台を抜いて1コーナーに進入。さあ行くぞ、と思ったら、レディースライダーのショーコ選手に第一ヘアピンでズバッと抜き返され、ただ1台、レインタイヤの装着にかけたポールポジションのどらちゃん選手はどんどん離れていきます。

目の前ではショーコ選手が、同じGSX-Rですが、クラシカルな見た目のゲラゲラ選手とドライタイヤながら激しくバトルをしている。この二人を抜けば表彰台だ…。そんな欲も出ましたが、無理をすれば即転倒。ただ、コーナーでバンク角さえ気をつければ、リアタイヤのR11は思ったよりトラクションがあり、フロントのBT-39SSはブレーキングでしっかり止まる。そして影の功労者と言うべき『止まらない』ベスラのリアブレーキ、WINパッドが実に効果を発揮。強く踏んでもタイヤはロックしないので、ウエット路面のコントロールに大きな安心感がありました。

そしてチェッカー。終わってみれば結果は4位。レインタイヤを選んだトップの選手はさすが。そのほかのライダーもドライタイヤで果敢に攻め、筆者市川も、久しぶりのレースを大いに冒険し、楽しむことができました。


著者紹介
市川 拓 いちかわ たく
1970年東京生まれ。20代のころから立体オブジェを制作し、映画やドラマの美術セットや撮影用の怪獣の着ぐるみも手掛ける。90年代にWGP250ccの畠山泰昌選手のデザイナー兼ヘルパーとしてグランプリに同行した。モトクロスレースの経験あり。
撮影
石崎伸樹
協賛各社
アライヘルメット
ウエストパワー
MHプロダクツ
スズキ株式会社
クラブサークル
J-Trip
STOMPGRIP(有限会社エム)
ダブルオーグラスギア
hit-air(プライドワン)
ブリヂストン
ベスラ株式会社
ベビーフェイス
ベルレイオイル
マーキュリープロダクツ
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