FIM世界耐久選手権(EWC)にフル参戦しているTeam Étoile(チーム・エトワール)が2026年シーズンの体制を発表した。ライダーは大久保光と伊藤元治が継続、新たに鳥羽海渡と豊島怜が起用される。
チームは2024年に発足し、これまでEWCを2シーズン戦ってきた。2025年はチーム初のル・マン24時間耐久を完走、鈴鹿8耐ではクラス優勝を果たし、SSTクラスでシリーズランキング5位を獲得した。10年計画の3年目となる2026年も同様にEWCのSSTクラスに参戦し、シリーズチャンピオン獲得を目標に挑戦を続ける。
チーム立ち上げ時からTeam Étoileを牽引してきた大久保光は「2024年、2025年とランキング5位が続き、世界一に届きませんでしたが、2026年こそチーム一丸となって必ず世界一をつかみにいきます。チーム最年長ライダーとして、4人のライダーをまとめるリーダーシップを発揮するとともに、自身の走りでもさらなる成長を目指します。耐久レースはチームスポーツです。走りだけでなく、組織としてのチーム力を高める言動・行動を意識し、全員で勝利をつかみにいきます」とコメント。32歳のベテランが第1ライダー。

第2ライダーを務める鳥羽海渡は、2025年は別チームからEWCにフル参戦した経験を持つ。「自分の力を最も発揮し、結果を残せる環境はどこなのか、長い時間をかけて考え続けてきました。市川代表とはチーム創設時からのご縁があり、今シーズンはチーム体制やレース準備を間近で見てきました。その中で、『勝つためにすべてを徹底できるチーム』であると強く確信しました。この環境で力を最大限に発揮すれば、世界チャンピオンをねらえる――その確信が、エトワールから参戦を決めた理由です」とTeam Étoile加入のいきさつを述べた。現在25歳の鳥羽は、Team Étoileからの参戦によって2026年に結果を残し、再びヨーロッパでのスプリントレース参戦を目標としている。

2025年は全日本ST600とダブルフル参戦だった26歳の伊藤元治。「2年目となる2026年は、昨年のベストからスタートすることが求められます。そこを達成できれば、レースウイークの内容が変わり、戦略の幅もさらに広げられると考えています。同時に、チームの一員としての役割を果たしていきます。レースで結果を出すことはもちろん、チーム活動やファンとの交流など、プロライダーに求められる様々な責任を理解し実行する。その姿勢が、次のステージでも評価されるライダーへの成長につながると考えています。新しいチームメイトが加わり、新たな刺激を受けながら、チーム一丸となってチャンピオンをねらいにいきます」とし、2026年はメインライダーとなる第3ライダーを務める。

そして、新たに起用された第4ライダー豊島怜は、2025年までヤマハに乗り全日本ST1000に参戦してきたが、BMWでEWC参戦という新たなチャレンジを開始する。「BMWのマシン、そして初めて走るサーキットに、とてもワクワクしています。いち早くチームの戦力となれるよう、まずは様々な変化に対応し、諸先輩方やチームからのアドバイスを素直に吸収しながら精一杯努めてまいります。レースでは与えられた役割を全うし、チームの勝利に貢献できるよう全力を尽くします」と述べた26歳の豊島。Team Étoileの市川貴志代表も「我々の耐久レースと全日本ロードレース選手権の両方に参戦することで、様々な局面で1000ccバイクを操る能力を高め、1年後にはメイン3人のライダーに入れる魅力を身につけてほしい」と期待を寄せている。

市川代表は、2年間チームを支えた渡辺一樹と奥田教介の両ライダーに感謝すると共に、Team Étoileが『若手にチャンスを与える』ことを存在意義とすることから、今回の体制変更を決断した。チーム発足から3年目は、より若手の割合を増やし、耐久レースで決勝を走る3人または4人のシートをベテラン一人と20代中盤の若手に充てることで、『人材輩出チーム』としての役割を果たすねらいことに重点を置いたという。

2026FIM世界耐久選手権(EWC)レースカレンダー
| 第1戦 | 4月16〜19日 | ル・マン24時間耐久レース(フランス・ル・マン) |
| 第2戦 | 6月5〜6日 | スパ8時間(ベルギー・スパ=フランコルシャン) |
| 第3戦 | 7月3〜5日 | コカ・コーラ 鈴鹿8時間耐久ロードレース(日本・鈴鹿サーキット) |
| 第4戦 | 9月17〜20日 | ボルドール24時間耐久レース(フランス・ポールリカール) |