全日本ロードレース第6戦岡山のST1000クラス決勝は羽田太河(Astemo Pro Honda S I Racing)が優勝した。

午前中は朝まで降り続いた雨に影響された。しかし天候は急速に回復し、強い日差しによって路面はドライコンディションに。

18周のレース。好スタートを切ってリードしたのは羽田。すぐに独走状態に移る。背後では作本輝介(TOHO racing)、荒川晃大(Astemo Pro Honda SIRacing)、亀井雄大(RTJapan M Auto and Kamechans)らが激しい2位争いを開始。オープニングラップで作本と荒川が接触、転倒。いきなり2台が戦線離脱。替わって2番手に浮上した國峰啄磨(TOHO Racing)が単身、羽田を追う。亀井、西村硝(JAPAN POST Honda RACING-TP)、ナカリン・アティラットプワパット(AstemoSIRacing withThaiHonda)、井手翔太(AKENO SPEED・RC KOSHIEN)、村瀬健琉(Team TITANTKR SUZUKI)が続く。

國峰は羽田を追い切れず、集団から抜け出した西村と2位争いを開始。5周目に西村が國峰の前に出る。

レース後半。西村が羽田との差を詰め始めた。周回遅れも出て、西村は羽田の背後にピタリとつける。

16周目。ねらっていたかに見えた西村がいきなりスリップダウン。これで5番手を走行していた井手が4番手に上がり、表彰台を目指して前を行く亀井を猛然と追いかけ始める。亀井は手に入れた表彰台圏内の位置を守るべく力走。

羽田は何事もなく最後までトップを快走。最終ラップでは観客席に手を振る余裕まで見せて今季3勝目を獲得。國峰が単独2位フィニッシュ。亀井が3番手を守って表彰台を得た。

「ブレーキトラブルが出ていたけれど、このペースならいける」と手綱を緩めずに優勝した羽田太河

優勝/羽田太河(Astemo Pro Honda S I Racing)

「戦略はありませんでした。西村選手が追い付いたのは確認していました。バックマーカーにひっかかったこともあって追い付かれ、一騎打ちだと思いました。残り5周くらいのところでリアブレーキのトラブルが出てペースを上げられなかったのですが、このペースならいけると思っていました。ラスト2周くらいで彼が転んだから楽な展開になりました。テストで一日だけドライで走ったのですが、ドライのセッティングや走り方が思い出せませんでした。テストよりもグリップしなかったので、その辺で苦労しました」

ぶっつけ本番のセッティングに苦労したという2位の國峰啄磨

2位/國峰啄磨(TOHO Racing)

「僕はテストでドライを走っているし、チームの地元なのに、うまく走れなかったです。単純にペースが上がりませんでした。最初に上がりたかったけれど、グリッドが後ろだったし、スタートが上手ではありませんでした。アクシデントがあって上がれたけれど、追い付くペースがありませんでした。朝のフリー走行で試そうとしたものがぶっつけ本番になったのですが、いいところと悪いところがあって、ペースが上げられませんでした」

事前テストのペースで走ることができなかったと語った3位の亀井雄大

3位/亀井雄大(RTJapan M Auto and Kamechans)

「テストではドライの走行は少なかったのですが、ユーズドタイヤでも新品タイヤでもタイムが出ていました。そのタイムを出せばついていけるかなと思ったのですが、走り出したらブレーキにトラブルが出ました。テスト時との気温差で引き起こったトラブルです。途中から腕上がりもありました。自分はテストよりも遅くなって、羽田選手はキープできていたのが今日の結果だと思います」