全日本ロードレース第6戦岡山のJ-GP3クラスは尾野弘樹(P.MU 7C GALESPEED)が優勝した。

朝まで降り続いた雨。天候は回復したものの路面は雨の影響が残り、J-GP3決勝はウエット宣言が出され、19周から17周へと減算された。また、ウオーミングアップランでの赤旗中断の影響でスケジュールが変更。予定よりも25分ほど遅れてのスタートとなった。

天候の急速な回復で日差しが強いものの、路面はハーフウエット。各車タイヤ選びに奔走。多くのライダーがスリックタイヤを選択。

ホールショットを奪ったのは中谷健心(MotoUP Jr Team)。尾野が背後につけ、オープニングラップから2台が抜け出す。後方では岡崎静夏(JAPAN POST Honda RACING TP)、松島璃空(BREASTO B-TRIBE RACING)、仲村瑛冬(TeamLife.HondaDream Kitakyushu)、富樫虎太郎(SDG Jr. 56RACING)、知識隼和(MotoUP Jr Team)の5台での3位争いが始まる。松島は3周目にマシンを止めてレースを終える。替わって12番グリッドからスタートした高杉奈緒子(TEAM NAOKO KTM)がこの集団に追い付いてグループは5台のまま。

5周目に尾野がトップ浮上。今度は中谷を従えて周回を開始する。

8周目。尾野は中谷の後ろに下がり様子見の周回を始める。

残り3周。いよいよ尾野が中谷の前に出てスパートをかける。尾野はファステストラップの走りで中谷を引き離してトップチェッカー。同時に尾野は最終戦を残してタイトルを獲得した。

「優勝してチャンピオンを決めるのが理想の形」と最高の結果を残した尾野弘樹

優勝/尾野弘樹(P.MU 7C GALESPEED)

「めちゃくちゃうれしいです。優勝してチャンピオンを決めるのが理想の形です。去年、一昨年と比べると楽な展開で臨みました。テストから考えて、非常に厳しい状況の中で、勝ってチャンピオンという気持ちを殺さないといけないレースになるのかなと思っていました。でも天気が回復して、ドライなら分があると思いました。天候も味方してくれました。最高の結果でうれしいです。いつもは自分で主導権を握る展開だけれど、今日は最後に勝てばいいやくらいの気持ちでレース展開を読みながら安全マージンを取りました。レース中に考えた展開どおりに進めることができました」

「作戦とは逆の展開になった」と2位の中谷健心

2位/中谷健心(MotoUP Jr Team)

「尾野さんが上がってくるのは分かっていました。後ろでついていってタイヤ温存を考えました。途中で前に出て逃げたかったけれど、後ろからバイクの音がずっと聞こえていました。作戦とは逆の展開になって、気合でいけると思っていたけれど、いけませんでした。そこはしっかり反省したいです。シーズン初めはだめだったけれど、だんだんメカニックとコミュニケーションがとれて気持ちが一致し始めたのが上位争いができるようになった要因です」

「対応力に課題が残る。今日は最低限の順位」と話した3位の岡崎静夏

3位/岡崎静夏(JAPAN POST Honda RACING TP)

「初日に転んで迷惑をかけてしまったので、土曜日、日曜日は『まずは転倒しないこと』が最低条件になりました。コンディションがかわる難しい状況でしたが、みんな同じだから落ち着くようにとチームから言われました。若松選手が出ていないので、私がトップ争いをしなければいけなかったのに、できませんでした。コンディション変化への対応力がまだまだだと思います。二人に離されてからはグループトップを目指しましたが、若手ばかりの集団の中で作戦どおり、うまく合わせられました。最低限の順位だと思います」