最終戦バレンシアGP終了後の11月18日火曜日、リカルド・トルモサーキットでMotoGPクラスのオフィシャルテストが開催。2026年シーズンに向けての準備がスタートした。

テストは1日の予定で、当初、10時スタートで185分間のセッション1、13時20分スタートで225分間のセッション2、それぞれのセッション終了後に10分間ずつのスタート練習が行なわれるスケジュールが組まれていたが、前夜に降った雨の影響でコースの一部がハーフウエットコンディションとなったため、各ライダー共、路面コンディションが回復するまでコースインを待機。11時20分すぎに各チームが協議した上で、途中の休憩時間なし、スタート練習なしのワンセッションでテストは実施された。

路面状況が回復した13時すぎから各ライダーがコースイン。気温17度、路面温度18度のドライコンディションでテストは行なわれ、ラウル・フェルナンデス(アプリリア)が52周を回り43周目に記録した1分29秒373でトップとなった。

2番手に60周を回り46周目に記録した1分29秒400でマルコ・ベゼッキ(アプリリア)が続き、アプリリアがワンツーでテストを終えた。アプリリア勢はエアロダイナミクスを中心としたテストプログラムを消化。

3番手に53周を回り42周目に記録した1分29秒457でアレックス・マルケス(ドゥカティ)、4番手に55周を回り47周目に記録した1分29秒550でフェルミン・アルデゲール(ドゥカティ)、ドゥカティ勢もエアロダイナミクスを中心としたテストプログラムを各ライダーが分担してテスト。

5番手に53周を回り38周目に記録した1分29秒581でペドロ・アコスタ(KTM)、6番手に56周を回り49周目に記録した1分29秒620でマーベリック・ビニャーレス(KTM)とKTM勢が続き、KTM勢は空力特性の方向性を見極めるためにテストやシーズン中に使用したパーツの再検証に取り組んだ。

7番手に47周を回り33周目に記録した1分29秒641でファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)、8番手に45周を回り38周目に記録した1分29秒661でケガの回復のため欠場したマルク・マルケス(ドゥカティ)の代役として終盤2戦に参戦したニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)がテストを担当。ブレガはマシントラブルでストップする場面もあったが、トップ10入りを果たした。

9番手に52周を回り46周目に記録した1分29秒711でブラッド・ビンダー(KTM)、10番手に50周を回り32周目に記録した1分29秒731でフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)が続いたが、2026年型最初のプロトタイプマシンをテストしたバニャーヤは47ラップ目に2コーナーでコースアウトし、グラベル上で転倒を喫した。

小椋 藍(アプリリア)は13回のコースインで、最多周回となる64周を回り58周目に記録した1分29秒834で11番手。

ジョアン・ミル(ホンダ)が1分29秒872で12番手、ヨハン・ザルコ(ホンダ)が1分29秒894で13番手、ルカ・マリーニ(ホンダ)が1分29秒916で14番手とホンダ勢が続き、ホンダ勢はリアのグリップを追求するためのテストプログラムに取り組んだ。

ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)は従来型の直列4気筒エンジン搭載のYZR-M1でコースインした後、V型4気筒エンジンの新プロトタイプマシンに乗り換え、1分29秒927で15番手に。右鎖骨骨折のケガから最終戦で復帰したホルヘ・マルティン(アプリリア)は1分29秒994で16番手。エネア・バスティアニーニ(KTM)は1分30秒291で17番手。

SBKからMotoGPに転向してきたトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)はアラゴンでのプライベートテストを経て、バレンシアテストに参加。53周を回り43周目に記録した1分30秒667で18番手。アレックス・リンス(ヤマハ)が1分30秒720で19番手、ジャック・ミラー(ヤマハ)が1分30秒864で20番手と、新型V型4気筒エンジンを搭載YZR-M1を駆るヤマハ勢が続いた。

2025年のMoto2チャンピオンで、2026年よりMotoGPクラスにステップアップするディオゴ・モレイラ(ホンダ)は57周を回り53周目に記録した1分31秒197で21番手。

バレンシアGP決勝スタート直前のグリッド上で転倒を喫し、右手の第5中手骨を骨折したためテストを欠場することになったフランコ・モルビデリ(ドゥカティ)の代役として、Moto2ライダーのセレスティーノ・ビエッティ(ドゥカティ)が起用され、ビエッティは24周を回り1分32秒511で22番手でテストを終えた。

V型4気筒エンジンを搭載したYZR-M1をテストするクアルタラロ
MotoGPマシンでもストッピーを決めるラズガットリオグル。ゼッケンは7番を選択
RC213Vを初テストするルーキーのモレイラ。ゼッケンは11番に

MotoGPバレンシアテスト

順位 ライダー タイム トップ差 周回数
1 ラウル・フェルナンデス(アプリリア) 1分29秒373 (43/52)
2 マルコ・ベゼッキ(アプリリア) 1分29秒400 0秒027 (46/60)
3 アレックス・マルケス(ドゥカティ) 1分29秒457 0秒084 (42/53)
4 フェルミン・アルデゲール(ドゥカティ) 1分29秒550 0秒177 (47/55)
5 ペドロ・アコスタ(KTM) 1分29秒581 0秒208 (38/53)
6 マーベリック・ビニャーレス(KTM) 1分29秒620 0秒247 (49/56)
7 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ) 1分29秒641 0秒268 (33/47)
8 ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ) 1分29秒661 0秒288 (38/45)
9 ブラッド・ビンダー(KTM) 1分29秒711 0秒338 (46/52)
10 フランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ) 1分29秒731 0秒358 (32/50)
11 小椋 藍(アプリリア) 1分29秒834 0秒461 (58/64)
12 ジョアン・ミル(ホンダ) 1分29秒872 0秒499 (24/37)
13 ヨハン・ザルコ(ホンダ) 1分29秒894 0秒521 (41/46)
14 ルカ・マリーニ(ホンダ) 1分29秒916 0秒543 (21/44)
15 ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ) 1分29秒927 0秒554 (36/46)
16 ホルヘ・マルティン(アプリリア) 1分29秒994 0秒621 (41/52)
17 エネア・バスティアニーニ(KTM) 1分30秒291 0秒918 (44/47)
18 トプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ) 1分30秒667 1秒294 (43/53)
19 アレックス・リンス(ヤマハ) 1分30秒720 1秒347 (4/33)
20 ジャック・ミラー(ヤマハ) 1分30秒864 1秒491 (49/51)
21 ディオゴ・モレイラ(ホンダ) 1分31秒197 1秒824 (53/57)
22 セレスティーノ・ビエッティ(ドゥカティ) 1分32秒511 3秒138 (21/24)