MotoGP第9戦イタリアMotoGPクラス2日目、スプリントが土曜日、イタリア、ムジェロ・サーキットで開催された。日本時間午後10時(現地時間午後3時)から11周で行なわれたスプリントは、気温32度、路面温度51度、湿度42%、山の方には雨雲のような濃い雲が増え、反対ではまだ晴れているという状況のドライコンディション。風も強い時には風速15km/hで吹いていた。

タイヤ選択は、ペドロ・アコスタ(KTM)とブラッド・ビンダー(KTM)が前ハード後ミディアムを選択、それ以外は全員が前ミディアム後ソフトを選んでいた。スタートは、P.P.スタートのマルク・マルケス(ドゥカティ)がランチコントロールボタンを押したかどうか分からなくなる失敗で、大きく出遅れる。その間にホールショットはフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)が奪い、2番手アレックス・マルケス(ドゥカティ)が先を行く。地元イタリアの観客が大いに盛り上がった。

その後方では、1コーナーでファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)がブラッド・ビンダー(KTM)に接触。ビンダーが転倒、その転倒に巻き込まれる形でヨハン・ザルコ(ホンダ)も転倒。二人はリタイアとなった。この件の調査は入ったが、ジャンアントニオにペナルティーは科されなかった。更に1周目15コーナーでは、アコスタが転倒、リタイア。

2周目に入るとアレックス・マルケスがバニャーヤを捉え、トップへ浮上。スタートで出遅れたマルク・マルケスも加わり、サイドbyサイド、肘と肘が当たる勢いで、三つ巴の激しいバトルが巻き起こった。4周目にはマルク・マルケスがアレックスを捉えてトップに立ち、徐々にアレックス・マルケス、バニャーヤの順で間隔が開き始めた。マルク・マルケスはそのままトップで、FIFA最優秀選手にも選ばれた経験があるイタリア人サッカー選手ファビオ・カンナバロが振るチェッカーを受けた。2位はアレックス・マルケス、3位バニャーヤ。

4番手争いは、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)、マーベリック・ビニャーレス(KTM)、ジャンアントニオ、フランコ・モルビデリ(ドゥカティ)、マルコ・ベゼッキ(アプリリア)で繰り広げられた。5周目以降、クアルタラロは徐々に順位を落とした。ビニャーレスは、後半3番手バニャーヤに0.3秒程の差まで詰め寄るものの、0.538秒差で4位。KTM加入以来では、スプリント最上位。ジャンアントニオが5位、6位ベゼッキ、7位モルビデリ、8位ラウル・フェルナンデス(アプリリア)、9位フェルミン・アルデゲール(ドゥカティ)。

クアルタラロは10位でポイント獲得には至らなかった。11位エネア・バスティアニーニ(KTM)、12位に復帰戦となった小椋藍(アプリリア)。13位ミゲール・オリベイラ(ヤマハ)、14位ジョアン・ミル(ホンダ)、15位に中上貴晶(ホンダ)が入った。

マルク・マルケスは8度目のスプリント優勝を果たし、ポイントを245に伸ばした。2番手210ポイントのアレックス・マルケスと35点差となった。3番手バニャーヤ147ポイント。明日は日本時間午後9時(現地時間午後2時)から23周で決勝が開催される。

波乱のスタートとなった
MotoGP第9戦イタリアMotoGPスプリント
順位 ライダー 車両 トップ差
1 マルク・マルケス ドゥカティ
2 アレックス・マルケス ドゥカティ 1秒441
3 フランチェスコ・バニャーヤ ドゥカティ 2秒561
4 マーベリック・ビニャーレス KTM 3秒099
5 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ ドゥカティ 4秒139
6 マルコ・ベゼッキ アプリリア 6秒391
7 フランコ・モルビデリ ドゥカティ 7秒631
8 ラウル・フェルナンデス アプリリア 8秒926
9 フェルミン・アルデゲール ドゥカティ 10秒361
10 ファビオ・クアルタラロ ヤマハ 11秒096
11 エネア・バスティアニーニ KTM 11秒870
12 小椋藍 アプリリア 12秒930
13 ミゲール・オリベイラ ヤマハ 13秒916
14 ジョアン・ミル ホンダ 15秒460
15 中上貴晶 ホンダ 17秒038
16 ジャック・ミラー ヤマハ 20秒031
17 ロレンツォ・サルバドーリ アプリリア 20秒729
18 アレックス・リンス ヤマハ 24秒661
19 ソムキャット・チャントラ ホンダ 31秒539
RT ペドロ・アコスタ KTM
RT ブラッド・ビンダー KTM
RT ヨハン・ザルコ ホンダ