MotoGP第9戦イタリアMotoGPクラス3日目、決勝が日曜日、イタリア、ムジェロ・サーキットで開催された。今大会は延べ166074人という、ムジェロ史上最高人数の観客に見守られた。ドゥカティ・レノボやVR46、プリマ・プラマックは地元イタリアGPスペシャル仕様のカラーリングで参戦。歌手のピエルダビデ・カロネによる国歌斉唱が行なわれ、グリッドには俳優のキアヌ・リーブスや元F1ドライバーのマーク・ウェバーなど2輪界以外からも著名人が駆けつけていた。

タイヤ選択はペドロ・アコスタ(KTM)のみが前ハード後ソフト、他は全員が前ミディアム後ソフトで臨んだ。日本時間午後9時(現地時間午後2時)から23周で争われた決勝は、気温32度、路面温度49度、湿度41%、晴れたドライコンディション。スタートは、ポールポジションのマルク・マルケス(ドゥカティ)がホールショットを獲ったものの、2コーナーではフランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)がトップを奪う。2周目1コーナーではマルク・マルケスが再びトップに立ち、4周目1コーナーではバニャーヤがトップに返り咲く。5周目は再びマルク・マルケスがトップを奪い、激しいバトルが続く中、5コーナーでバニャーヤの前輪がマルク・マルケスの後輪に触れ、二人が挙動を乱した隙に、アレックス・マルケスがトップを奪った。

バニャーヤはすかさずアレックス・マルケスの後ろに着けるが、7周目にはマルク・マルケスがバニャーヤをかわした。9周目には、マルク・マルケスはアレックス・マルケスもかわし首位奪還。この間に、4番手争いをしていたマーベリック・ビニャーレス(KTM)とフランコ・モルビデリ(ドゥカティ)が9周目に接触、ビニャーレスは転倒、リタイア。モルビデリにはロングラップが科された。

ロングラップに入ったモルビデリは、ロングラップの走行ラインを超え、2度目のロングラップを科される。その間に、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)とマルコ・ベゼッキ(アプリリア)、ラウル・フェルナンデス(アプリリア)がモルビデリの前に出るが、15周目にはモルビデリが再びフェルナンデスを抜いた。その後方では、ペドロ・アコスタ(KTM)とブラッド・ビンダー(KTM)が激しく8番手争いを繰り広げた。

エネア・バスティアニーニ(KTM)は1周目、ヨハン・ザルコ(ホンダ)は4周目それぞれ15コーナーで転倒、リタイアした。ジャック・ミラー(ヤマハ)は9周目まで15番手前後を走行していたが、クラッチの問題でピットイン、リタイア。

トップに立ったマルク・マルケスは、15周目に1分46秒台をマーク、後半も安定して1分47秒台を刻み、アレックス・マルケスに約2秒の差を付けトップでチェッカー。2位はアレックス・マルケス。3位はモルビデリがロングラップに入った後、4番手に着けていたジャンアントニオが、ラスト2周となる22周目にバニャーヤを捉え、アメリカGP以来の3位表彰台。

小椋藍(アプリリア)は21番グリッドスタートから徐々に順位を上げ、最後は10位フィニッシュ。6ポイント獲得した。中上貴晶(ホンダ)は、19番グリッドスタートから一時は15番手を走行、フェルミン・アルデゲール(ドゥカティ)に先を許し、16位完走で終わった。

年間ポイントは、通算93勝、今季スプリント、決勝のダブル優勝5回で昨年のバニャーヤの記録に並んだマルク・マルケスが現在270ポイントで首位。2番手アレックス・マルケスは230ポイント、3番手のバニャーヤは160ポイント。

次戦の第10戦オランダGPは来週、6月27日の金曜日に始まる。

今シーズンベストと称されたスタートバトル
MotoGP第9戦イタリアMotoGP決勝
順位 ライダー 車両 トップ差
1 マルク・マルケス ドゥカティ
2 アレックス・マルケス ドゥカティ 1秒942
3 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ ドゥカティ 2秒136
4 フランチェスコ・バニャーヤ ドゥカティ 5秒081
5 マルコ・ベゼッキ アプリリア 9秒329
6 フランコ・モルビデリ ドゥカティ 16秒866
7 ラウル・フェルナンデス アプリリア 18秒526
8 ペドロ・アコスタ KTM 19秒349
9 ブラッド・ビンダー KTM 19秒377
10 小椋藍 アプリリア 21秒943
11 ジョアン・ミル ホンダ 22秒877
12 フェルミン・アルデゲール ドゥカティ 25秒578
13 ミゲール・オリベイラ ヤマハ 26秒123
14 ファビオ・クアルタラロ ヤマハ 26秒130
15 アレックス・リンス ヤマハ 28秒155
16 中上貴晶 ホンダ 33秒110
17 ロレンツォ・サルバドーリ アプリリア 40秒900
18 ソムキャット・チャントラ ホンダ 1分09秒826
RT ジャック・ミラー ヤマハ
RT マーベリック・ビニャーレス KTM
RT ヨハン・ザルコ ホンダ
RT エネア・バスティアニーニ KTM