MotoGP第10戦オランダMotoGPクラス3日目、ウオームアップ走行と決勝が日曜日、オランダ、TTサーキット・アッセンで開催された。今大会日曜日は7月1日に創立70周年を迎えるヤマハ発動機を記念して、1999年芳賀紀之がWSBK参戦当時のYZF-R7のカラーリングでヤマハ勢4台は参戦。

日本時間午後4時40分(現地時間午前9時40分)から10分間行なわれたウオームアップ走行は、気温22度、路面温度32度、湿度73%、部分的には雲があるドライコンディション。この走行ではアレックス・マルケス(ドゥカティ)が1分31秒874のトップタイムを記録した。2番手マルク・マルケス(ドゥカティ)、3番手マルコ・ベゼッキ(アプリリア)。小椋藍(アプリリア)は1分32秒948で18番手だった。

日本時間午後9時(現地時間午後2時)から26周で開催された決勝は、気温24度、路面温度41度、湿度66%、場所により濃い雲もあるドライコンディション。予選でアレックス・リンス(ヤマハ)の走行ラインを妨害したとして、エネア・バスティアニーニ(KTM)に3グリッドダウンのペナルティーが科された。そのため17番手にミゲール・オリベイラ(ヤマハ)が繰り上がり、リンスは18番手、小椋は19番、バスティアニーニが20番グリッドスタートとなった。

スタート前には、オランダ出身の歌手Elske DeWallが100mのドレスを着て国歌斉唱を行ない、アッセン史上最多延べ200104人の観客に見守られた。タイヤ選択は前ハード後ミディアムが多かった。スタートは、フランチェスコ・バニャーヤ(ドゥカティ)が好スタートでホールショットを獲得。続いてアレックス・マルケスが2番手、マルク・マルケス、P.P.スタートのファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が続いた。小椋はオリベイラと接触、転倒、リタイア。オリベイラはピットに戻り再スタートしたが、8周でリタイア。

2周目に入る1コーナーでは、マルク・マルケスがアレックス・マルケスの前に出た。更にベゼッキもアレックス・マルケスをパスして3番手へ。アレックス・マルケスに続き、ペドロ・アコスタ(KTM)、フランコ・モルビデリ(ドゥカティ)が着け、クアルタラロは徐々に順位を落とした。4周目にはロレンツォ・サルバドーリ(アプリリア)が転倒、リタイア。トップはバニャーヤを抜いて、マルク・マルケスが先頭に立った。6周目には、アコスタと激しいバトルをしていたアレックス・マルケスが転倒。アレックス・マルケスはこの転倒で左手を骨折。

更に、フェルミン・アルデゲール(ドゥカティ)のハイサイドに巻き込まれる形でジョアン・ミル(ホンダ)も転倒、二人ともリタイア。8周目に入ると、ベゼッキがバニャーヤをパス。9周目にはアコスタもバニャーヤの前に出るが、バニャーヤは14周目に再びアコスタを抜き返す。バニャーヤはこの周、レース最速の1分32秒220を記録。15周目には10番グリッドスタートのマーベリック・ビニャーレス(KTM)が徐々に順位を上げ、モルビデリを抜いて5番手まで上がった。

20周目には6番手争いをしていたモルビデリがファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)とのバトル中ショートカットをしたため、ロングラップが科される。先頭はマルク・マルケスのまま、ベゼッキは迫るが抜くには及ばず、マルク・マルケスがトップでチェッカー。MotoGPクラス68度目の優勝を飾り、ジャコモ・アゴスティーニと並び歴代2位タイ。

2位には0.635秒差でベゼッキが入り、2023年のサンマリノGP以来のスプリント決勝の両方での表彰台を獲得した。3位バニャーヤ。ソムキャット・チャントラ(ホンダ)が15位に入り、タイ人ライダー初の1ポイント獲得。次戦は、7月11日から第11戦ドイツGPが始まる。

アッセン最多延べ200104人が観戦した

優勝したマルク・マルケス(ドゥカティ)とファンが選んだライダ―・オブ・ザ・レースのマルコ・ベゼッキ(アプリリア)
MotoGP第10戦オランダMotoGP決勝
順位 ライダー 車両 トップ差
1 マルク・マルケス ドゥカティ
2 マルコ・ベゼッキ アプリリア 0秒635
3 フランチェスコ・バニャーヤ ドゥカティ 2秒666
4 ペドロ・アコスタ KTM 6秒084
5 マーベリック・ビニャーレス KTM 10秒124
6 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ ドゥカティ 12秒163
7 フランコ・モルビデリ ドゥカティ 18秒896
8 ラウル・フェルナンデス アプリリア 20秒295
9 エネア・バスティアニーニ KTM 23秒687
10 ファビオ・クアルタラロ ヤマハ 23秒743
11 ブラッド・ビンダー KTM 24秒251
12 ヨハン・ザルコ ホンダ 24秒875
13 アレックス・リンス ヤマハ 24秒882
14 ジャック・ミラー ヤマハ 25秒065
15 ソムキャット・チャントラ ホンダ 49秒219
16 アレイシ・エスパロガロ ホンダ 49秒360
RT ミゲール・オリベイラ ヤマハ
RT フェルミン・アルデゲール ドゥカティ
RT ジョアン・ミル ホンダ
RT アレックス・マルケス ドゥカティ
RT ロレンツォ・サルバドーリ アプリリア
RT 小椋藍 アプリリア