MotoGP開催コースのもてぎで、125ccレース開催への可能性を探る
またまた数カ月のご無沙汰となってしまいました。初心者おじさんレース参戦記『五十にして立つ』ですが、実は今年で、GSX-R125編として5年目を迎えることになりました。2022年にスズキGSX-R125をレーサー化して、SUGOロードレース選手権の、国際レーシングコースを使用した小排気量のスプリントであるオープンミニクラスに参戦。10代のころからあこがれだったSUGOのコースでレースをするという夢をかなえ、そして桶川スポーツランドの歴史あるシリーズ、関東ロードミニ選手権にも断続的に参戦を開始。たくさんの協賛メーカーのご協力もあり、我がGSX-Rライスポ号は、月日を追うごとに、身の丈に合った、どこで乗っても楽しく、安心感のあるバイクに仕上がってきました。自身のライディングやレーススキルの成長も目標ですが、バイクやレースの好きなおじさんにとって、充実度の高い時間を過ごす。というのが最大のテーマであり、大きな喜びと手ごたえを感じることができています。
2026シーズン、この数年SUGOや桶スポで知り合えた、かけがえのないレース仲間とまた会いたい。とは思いつつ、5年目を迎え、何か新しいこともやってみたい。と、漠然と考えていると、あっと言う間にレースシーズンも開幕。サーキットで話し相手になってくれる、飯高新悟や池上聖竜、そして武中駿、宮崎隼らの若い全日本ライダーの奮闘を、開幕戦のSUGOで観戦しながら、初老も重い腰を上げねば…と、思っていたところに青木編集長から、思わぬ提案がありました。
「実は先日、モビリティリゾートもてぎと、KENZの代表の川島賢三郎さんから、もてぎのレーシングコースを使用した、ホイールサイズ17インチの125ccのスポーツバイクのレースの可能性を模索したいという相談があった。125ccと言えばライディングスポーツには拓ちゃんがいる。協力してほしい」
これは俄然モチベーションが上がる話。さっそく自分がXで開設している『五十にして立つ』のアカウントで、意見や協力を募りました。迎えた7月13日、早朝からモビリティリゾートもてぎのレーシングコースのピットガレージに、普段125ccのバイクでレースやサーキット走行を楽しむライダーたちが、MotoGPや全日本ロードレースが開催されるコースを是非走りたいと、平日にもかかわらず20名ほど集結してくれたのです。
桶川スポーツランドの関東ロードミニのベテランたち、SUGOを地元とするライダー、静岡の白糸スピードランドのライスポカップに参戦しているライダー、そして、遠く愛媛から参加を表明してくれたライダーもいたのですが、残念ながらスケジュールが合わず断念していました。
当初はスタートシグナルを使用した模擬レースや、スタート練習もできないかと、編集長も自分も考えていましたが、サーキット側のオペレーションの都合もあり、『125cc試走会』として、25分の走行を3本という形で開催することになりました。

まずはブリーフィングで、サーキットアドバイザー、インストラクターとして長い経歴を持ち、スズキ車と縁の深いショップ、KENZの代表でもある川島賢三郎さんから走行上の注意を聞きます。

しかし当日のもてぎは、前日からの雨により全周にわたってウエットコンディション。走行前から弱い雨が降ったりやんだり、という状況。ですが、自分がXの告知で、『雨天決行』を伝えていたので、各ライダー、頼もしくレインタイヤを装着してピットレーンに並んでくれました。

また、モビリティリゾートもてぎでは、2輪走行の際、年齢によってエアバッグシステムの装着が必須。この日のためにエアバッグベストを購入して駆けつけてくれたライダーもいます。
ウエットコンディションの中、いよいよコースイン

さあ、いよいよコースイン。筆者市川は、観戦やレースのお手伝いとして、数十回は訪れているもてぎですが、走行は初めて。空は暗く、弱い雨が降ってはいますが、テンションは最高潮。
まずは全車、先導車の川島さんについてレーシングコースを周回。思った通り広い。特に各コーナーのコース幅が広く、精神的には安心感があります。

周回3周目、川島さんが合図をして先導車が離れ、全車スピードアップ。桶川スポーツランドのエキスパートクラスで、普段から激しいバトルをしているライダーたちは最初からかなり楽しんでいる様子。自分もシールドにつく雨粒を気にしながらペースを上げて行きます。すると、思った以上にブリヂストンのレーシングレインタイヤがグリップ力を発揮し、バイクを寝かせていくのが怖くない。昨年の桶スポで関東ロードミニ選手権の最終戦も、水たまりの中を走るような状況で、レインタイヤの恩恵を受けましたが、広大なコースではスピードも上がり、タイヤの発熱量も高いせいか、もっといける、という感じがしました。
ためしにV字コーナーで膝をすってみると、ドライコンディションのようにガーッとスライダーを路面に押し付けることが可能。そして、ダウンヒルストレートからの右の90度コーナー、あの小椋藍選手が、Moto2ですばらしいパッシングを見せていたコーナーです。進入は下り勾配ですが、思ったよりブレーキングを頑張ることができ、そして縁石に寄って、膝すり成功!
俺はもてぎで膝をすっている! 雨天のレーシングコースで最高の気分でした。走行を重ねるごとに、膝をするのはもちろん、ブレーキングポイントもどんどん詰めることができる。
実はもてぎのコース、昨年12月から3カ月以上の期間、路面の舗装全面張替え工事が行なわれ、ウエットコンディションのグリップもかなり向上しているそうです。






この日はなんと転倒車なし。参加したライダーは「すごく楽しかった」「レースはいつですか?」と、みんな最高の時間を過ごせたようです。
それにしても、GSX-Rをはじめとする125ccのスポーツバイクの許容範囲には改めて驚きました。もてぎやSUGOのような広大なレーシングコースでも、そして桶川スポーツランドのようなストップ&ゴーを繰り返すようなミニサーキットでも、多少のセッティングとスポーツタイヤの選択だけで安心してサーキット走行やレースを楽しめるのです。この『125cc試走会』をきっかけに、関係各位で精査の後、MotoGPサーキットであるモビリティリゾートもてぎで、125ccバイクでリーズナブルにレースが楽しめる、新しいカテゴリーが誕生することを願ってやみません。

著者紹介
市川 拓(いちかわ たく)
1970年東京生まれ。20代のころから立体オブジェを制作し、映画やドラマの美術セットや撮影用の怪獣の着ぐるみも手掛ける。90年代にWGP250ccの畠山泰昌選手のデザイナー兼ヘルパーとしてグランプリに同行した。モトクロスレースの経験あり。
撮影
内藤みさお
協賛各社
アライヘルメット
ウエストパワー
MHプロダクツ
スズキ株式会社
クラブサークル
J-Trip
STOMPGRIP有限会社エム
ダブルオーグラスギア
hit-airプライドワン
ブリヂストン
ベスラ株式会社
ベビーフェイス
ベルレイオイル
マーキュリープロダクツ
モビリティリゾートもてぎ